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内容説明
卓越した武勇と揺るぎない忠義でスコットランド王ダンカンの信頼も厚い将軍マクベス。しかし荒野で出会った三人の魔女の予言はマクベスの心の底に眠っていた野心を呼びさます。夫以上に野心的な夫人にもそそのかされ、マクベスはついに自分の城で王を暗殺。その後は手に入れた王位を失うことを恐れ、憑かれたように殺戮を重ねていく…。悪に圧倒され冒された精神が荒廃し崩壊していく姿を描いた、シェイクスピア悲劇の代表作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ムーミン2号
5
グリーン版世界文学全集(河出書房)1巻より。魔女(この本では妖婆)たちが唱える゛Foul is fair and fair is foul.”(よいは悪い、悪いはよい)が全編にわたって提示されているような作品で、悪鬼たちの世界ではよいことは人間界では悪く、逆もまた真なりがあちこちに散りばめられている。この逆説的文言は、我々の日常にも時に顔を出す事象であり、一方に光が当たれば一方は暗い状況を呈する。光をたぐり寄せたかに見えたマクベスは、深い闇に向かって転げ落ちるが、巻き込まれた周囲の者こそ悲劇である。2020/04/19
りゅう
0
スコットランドの実在の王マクベス(在位:1040年-1057年)がモデルだそうです。 シェイクスピアには名言が沢山ありますが、これも、これもマクベスだったのか。と、耳にしたことのある名言がポンポン出てきました。 かなり激しい内容ですが、とても当たり前の事が書かれているので、未だにお芝居等で取り上げられる事に、なるほどと納得できます。2008/02/01