角川文庫
変身 (〔平成19年〕改)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 224p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784042083061
  • NDC分類 943
  • Cコード C0197

内容説明

平凡なセールスマンのグレゴール・ザムザは、気がかりな夢からさめたある朝、一匹の巨大な褐色の毒虫へと変わった自分を発見する。理由もなければ原因もない。その日から家族との奇妙な生活が始まった―。非現実的な悪夢をきわめてリアルに描き、現代人の不安と孤独をあらわにした最高傑作。読むものに無限の深遠を感じさせる名訳でおくる。カフカ的エッセンスが凝縮された名作「ある戦いの描写」を同時収録。

著者等紹介

カフカ,フランツ[カフカ,フランツ][Kafka,Franz]
1883年プラハにユダヤ人の息子として生まれる。カフカとはチェコ語で「カラス」の意。生涯を一役人として暮らしたこの非凡な作家は、一部発表された短編をのぞき、すべての作品を未発表のまま捨て去るように友人に言い残した。1924年、名声というものにはまったく縁のないまま死亡。その迷宮的作品世界はいまなお謎を投げかけている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

優希

64
不条理の世界が広がります。物語として読むことができたのが『変身』でした。グレゴールが毒虫へと姿を変えたことにより、家族の形も悲惨な最期も必然になっていたのだと思います。非現実ながら、不条理の世界を描ききっていると思います。『ある戦いの描写』は何を言おうとしてるのか分からず、もやっとしました。2021/07/01

57
何だか、私だけかもしれないのですが途中からイライラしてきました。グレゴールに対してなのか、グレゴールの家族になのか、漠然としたイライラだったのでよく覚えていませんが。ただ他の本で読んだのですがカフカって引きこもりが好きだったんですよね。本人の願望みたいな気がしてきまして何となくイラっときたのかもです。2013/01/06

せ~や

53
難しい…。時代的背景や作者の背景、主義的な知識などがあるともっと深く読み解けるんだろうなと、あとがきを読んで感じました。状況描写ばかりがずっと続く上に段落分けも細かくないので、物語の浮き沈みもあまりなく、描写と見えにくくて読むのに苦労しました。でも、解説にある通り、「主人公が虫に変わった」という事を伏せて読むと、様々に解釈して読める本だとわかって、すごいなと感じました。でも、なかなか難しい本でした…。☆2.52023/05/31

cockroach's garten

49
中途で投げた。『変身』は人から忌み嫌われる虫になりながらも、自分はそれでも生きているという自覚を、まざまざと書いている。だけども、健気な喜劇ではない。で、問題は次の『ある戦いの記憶』。断片的に展開されるストーリーに頭の整理が追いつかない。いったいなにを目指しているのか、最後まで理解出来なかった。2016/06/27

kana

37
『変身』について。死ぬまでの内に人間は、必ず変身してしまうのだろう。これは家族の物語なのではないか。外見が変わってしまったものを腫れ物に触れるように扱い、世間から遠ざける。これは例えば、息子が突然引きこもりになってしまったり、人が介護を必要になった時と同じように。外見が変化しただけで、中身をみようとしない所が人間の醜さなのではないか。2020/05/03

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