内容説明
せっぱ詰まってはいない。今すぐ誰かと結婚したいとは思わない。でもどこかで思っている、「いつかはやっぱり結婚したい」と。結婚は、能力ではなくて人格が選ばれることだ。結婚をしたいほど好かれているなんて、嬉しくないわけがない。不確実だとわかっていても、人は人を好きになると「結婚したい」と願うものだ―。『恋愛中毒』の著者が、心の奥底に巣くう「結婚願望」と「結婚の現実」をまっすぐに見つめた、ビタースウィートなエッセイ集。
目次
1章 二十代の結婚願望(恋愛の先にあるもの;不純な年代 ほか)
2章 三十代の結婚願望(どうでもよくならない;どうしてそんなに結婚したいか ほか)
3章 みんな結婚する(みんな結婚している;別にどっちでもいい ほか)
4章 もう半分の人生(八十年以上生きねばならない;家族の行方 ほか)
著者等紹介
山本文緒[ヤマモトフミオ]
1962年神奈川県生まれ。OL生活を経て、人間関係の繊細なずれから生じる喪失、慈しみをテーマに作家活動を続け、現在に至る。『恋愛中毒』で第二十回吉川英治文学新人賞を、『プラナリア』で第一二四回直木賞を受賞した
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感想・レビュー
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aoringo
86
結婚願望が強くて恋愛体質だと他のエッセイでも語られていたので知ってはいたけど、こんなに頭の中結婚のことばかりでこの人大丈夫だろうか?と精神面が心配になってしまった。この時山本さん、バツイチなのだが、繰り返される結婚への熱量が半端なくて驚くと同時に感心させられた。2023/03/03
らむれ
74
最近友人の間で「結婚」がキーワードになりつつあるので手に取ってみる。林氏のせいで(笑)女性作家のエッセイ恐怖症ですが、恋愛小説を書く山本さんらしい鋭い考察もちらほら見えて最後まで読めました。結局は他人と助け合いながら自分の核をしっかり守りつつ共存することが理想ですよと。しかし、そうはいきませんよと(笑)キーワードは"恋愛体質"か否か。「デート」じゃないと満足できない人か、「メシ」に安らぎを見いだせる人か。山本さん曰く、恋愛体質に生まれたことが運のツキとな。でもそれが彼女の創作の糧なんでしょう。 2015/09/07
ひろちゃん
55
この本で著者の離婚前の甘い考えと言われてた考えがまんま今の私の価値観で笑った。結婚願望強すぎる。誰か一人を強く信頼してみたいし、誰か一人とものすごく親密になりたい。そんな人がいたらいいなあ…とぼんやり考えてみる。でも結婚という船に乗っても沈没するかもしれないし、結局は楽しめればよいかなと思う。2017/11/29
ほのぼの
45
山本文緒さん、37歳の時のエッセイ。結婚観・恋愛観・人生観がズバズバと語られている。当時、山本さんはバツイチで独身。「一人で生きていく覚悟」を決めながらも捨てられない結婚願望。その甲斐あってか(?)出版の2年後にめでたく再婚。文庫版あとがきにての〝再婚報告〟はお幸せそうでちょっと照れくさそうで、とても微笑ましかった。先日『無人島のふたり』を読んだばかりなので「もう半分の人生の第一歩を踏み出したばかり」という言葉が切なかった。2024/11/26
水色系
29
山本文緒さんの小説もエッセイも、続きが気になる吸引力のある文章で、好きです。結婚願望について、なぜそういった願望があるのか、どうして結婚願望のある人が一定数いるのか、結婚とは何か、について山本文緒が語る。結婚とは能力ではなく人格が選ばれるという件、それを信じると結婚という制度がすごい幸福なもののようにも思えてくる。2022/04/13