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角川ホラー文庫
吊された男―異形アンソロジータロット・ボックス〈3〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 392p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784041939086
  • NDC分類 908.3
  • Cコード C0193

内容説明

ホラー・アンソロジーの魔王がタロットの図案をもとに編み上げるシリーズ、第3弾。今回のカードはアルカナ・ナンバー12、「吊された男」。めまいがするほどの勢いで、次から次へと吊され、縛られ、くくられていく、首、首、首。あるものはほとばしる怨念とともにじわじわと、あるものは恍惚の笑みをうかべつつやすらかに…。良識や正義感までも、逆さ吊りに考察する史上例をみない「首吊り専門アンソロジー」、ついに悪夢の降臨。

著者等紹介

井上雅彦[イノウエマサヒコ]
1960年生まれ。星新一氏に認められデビューして以来、独自の怪奇幻想短篇世界を続続と発表。アンソロジストとしても活躍し、自ら企画監修した『異形コレクション』の功績で98年度日本SF大賞特別賞を受賞

伊藤潤二[イトウジュンジ]
1963年、岐阜県出身。87年、この世ならぬ妖女を描いた本格ホラー作品「富江」が、第一回楳図賞に入選し、デビュー。以後、「ハロウィン」誌、「ネムキ」誌に発表した数々の短篇ホラーマンガは、異形の圧倒的な描写力と、オリジナリティ溢れる奇想のアイディアに満ち、多くのホラーファンを掴む

内田百〓[ウチダヒャッケン]
1889年‐1971年。岡山市生まれ。在学時代に、入院中の夏目漱石を訪ねて門下となり、18年間のドイツ語教師の傍ら、21年より創作を開始。最初の著書『冥途』として纏められた掌篇作品群以来、師・漱石の「夢十夜」の系譜を継ぐかのように、夢幻世界の奇怪な作品を紡ぎ続けた

岡本綺堂[オカモトキドウ]
1872年‐1939年。東京、高輪生まれ。劇作家、小説家、劇評家として活躍

かんべむさし[カンベムサシ]
1948年、兵庫県出身。広告代理店勤務を経て、作家活動に入る。デビュー作はSFマガジン誌に発表した「決戦・日本シリーズ」。1986年には、『笑い宇宙の旅芸人』(徳間書店)で、第七回日本SF大賞を受賞。幻想、ユーモア、怪奇、ギャグ、諷刺、ナンセンス、言語実験、そしてSFとあらゆる要素を駆使して創られる奇妙な世界には定評がある

ビアス,アンブロース[ビアス,アンブロース]
1842年-1914年?。南北戦争の北軍兵士、ジャーナリストを経て、作家となる。短編「あいつ」など、怪奇小説として高く評価されている。シニカルな人間探求が込められた『悪魔の辞典』が有名

式貴士[シキタカシ]
1933年-1991年。東京生まれ。式貴士名義では「エロ・グロ・ナンセンスに満ちた」博覧強記のSF短編、間羊太郎の名義でミステリ研究、蘭光生名義のバイオレンスポルノ、小早川博名義でのスカトロジー研究と活躍をした異形の作家

都筑道夫[ツズキミチオ]
1929年、東京生まれ。ミステリ、SF、怪奇小説の分野に多大なる貢献をした編集者時代を経て、専業作家に

エーヴェルス,ハンス・ハインツ[エーヴェルス,ハンスハインツ]
1872年-1941年。ドイツを代表する怪奇幻想作家のひとり。長編に、妖花の伝承をモチーフにした妖女もの『アルラウネ』や、分身テーマの大作『プラーグの大学生』。短編に「死んだユダヤ人」「みいら」「スターニスラウ・ダスプの遺言」などがある

寺山修司[テラヤマシュウジ]
1935年-1983年。青森県生まれ。67年に演劇実験室「天井桟敷」を設立。第一回公演『青森県のせむし男』以後、演劇・映画・詩・評論に、意欲的に活躍した

ひかわ玲子[ヒカワレイコ]
東京、新宿生まれ。翻訳家を経て1988年より、「ドラゴンマガジン」誌上に、「バセット英雄伝エルヴァーズ」を発表し小説家デビュー。以来ファンタジーを中心に創作活動に入る

戸川昌子[トガワマサコ]
東京生まれ。OL生活の傍らアテネ・フランセに学び、シャンソン歌手となる。62年、処女作『大いなる幻影』が第8回江戸川乱歩賞を受賞。ミステリ分野で活躍

横溝正史[ヨコミゾセイシ]
1902年-1981年。神戸市生まれ。21年、「新青年」に短編「恐ろしき四月馬鹿」を発表。26年に博文館に入社し、「新青年」などの編集長を経て専業作家に。『本陣殺人事件』で探偵作家クラブ賞を受賞

サーリング,ロッド[サーリング,ロッド]
1924年-1975年。ニューヨーク州シラキュース生まれ。若くして、ラジオ、テレビ界で活躍。59年より、自ら企画、脚本、ホストを務めたテレビシリーズ『THE TWILIGHT ZONE』で短編のSF・幻想ドラマの普及に成功し、エミー賞を受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

空猫

21
伊藤潤二サンの作品を図書館で検索したら唯一ヒットしたのがこれ。題名通り[首をくくられた]男(女)達の物語。岡本綺堂,内田百間サンという正統派⁉からエロにグロさらにスカトロな式貴士サン,悪魔の辞典のビアス,寺山修司サンまで。編者の守備範囲の広さよ‼テーマがテーマだけにあまり趣味のよろしくない(誉め言葉)作品がほとんどだが力作揃いだと思う。堂々とお薦めできないんだけども(/-\*)2017/03/03

7a

12
仙台の上空に謎の浮遊物体が現れたというニュースを見て私が先ず思い浮かべたのが首吊り気球だった。それでこれを予約したのだけれど、読む頃になって別のことで首吊りがメディアを騒がせている。「首吊り三味線」では縊死と絞殺は違う、絞殺は窒息だから苦しいが、縊死は脳の急性貧血だから柔道の絞め技で落ちるようなもの、とあった。だから苦しくなかったのならいいな、と思う。テーマがテーマだけに全体的に重く(ろくろ首の絞首刑をテーマにしたコメディもあるが)最後に「魔法の砂」を持ってきたのは編集者の良心かな。2020/07/20

ひょろ

10
首吊りに関する話を集めた実に悪趣味(褒め言葉)なアンソロジー。「首吊り三味線」圧倒的なまでの首吊り談義、三味線談義。その陰に隠れてひたひたと侵食してくるおぞましさ。「蜘蛛」妖女クラリモンド。彼女と医学生とのかかわりが実に面白い。一言も声をかわすことなく、じわりじわりと寄ってくる抗いがたい力。まさに妖女である。「首吊り病」表現者寺山修二であるからこその着想。彼の纏う一抹の寂しさのようなものがこの短文の中にも息づいている。「首吊り三代記」掌編ではあるがしっかり横溝正史。主人公の妄執がすさまじい。2015/09/28

のりすけ

9
伊藤潤二さんの「首吊り気球」は言わずもがな。式貴士さん、横溝正史さん、そして戸川昌子さん(戸川さんらしい作品)が面白かった。翻訳モノはやっぱ「だからどうなんだよ」と言いたいくらいにリズムがなくて辛い。2017/06/01

シガー&シュガー

6
【日本の夏は、やっぱり怪談<其の一・和編>】参加のために。タロットの「吊るされた男」をテーマに絞首方法で縛りを設けたアンソロジー。読み物として安定の面白さの戸川昌子、横溝正史、伊藤潤二、ダントツに端正な岡本綺堂など楽しみましたが、全て既読作品で残念。知らない作家では、トップバッターの式貴士「首吊り三味線」が強烈。絞首と三味線に関する知識がこれでもかと並べたてられる中にエログロが巧妙に入り込み見事に悪酔い。濃すぎる内容に比してラストのカタストロフィーがおとなしめで残念。今回、海外作家は飛ばしました。2015/08/07

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