内容説明
その日、郁子が小学校から帰ると、お姉ちゃんが死んでいた。そして通夜の晩、死んだはずの姉から告げられたショッキングな事実。不幸な謎の死をとげた姉・裕美子と自分の出生の真相を解き明かそうとするうちに、郁子のまわりでは次々と人が死んでいき…。「人恋坂」に雨の降るとき、なにかが起こる―運命の怨念がこだまする坂道を舞台に、人間の弱さと哀しみを浮き彫りにした、現代怪談噺の最高傑作。
著者等紹介
赤川次郎[アカガワジロウ]
1948年、福岡県生まれ。76年、「幽霊列車」で第15回オール読物推理小説新人賞を受賞し、デビュー
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感想・レビュー
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優希
82
幽霊が出てくるのが赤川次郎らしかったです。タイトルは怪談ですし幽霊とか出て来るけれど、ホラーと言うには微妙でした。急死していた姉と自分の出生の真相を解き明かそうとする郁子の周りで次々と人が死んで行きます。いくら何でも人が死に過ぎでしょう。読後にこれといった印象が残らないのも良くも悪くも赤川次郎だな、と感じます。2015/09/18
扉のこちら側
64
初読。2015年964冊め。カドフェス2015。タイトルに怪談とあるし幽霊も出てくるのだけれど、ホラーというよりサスペンス。少女はなぜ殺されたのか。正に坂道を転がる石のように、次々と生まれる「罪」。【第7回月曜から読書会・第16回お茶を飲みながら読書会】2015/08/10
キンモクセイ
45
郁子が9歳の時に姉の裕美子が殺された。まだ16歳だった。通夜の晩、棺の中にいる裕美子の目が突然開いた。これは夢?裕美子は郁子に話しておきたい事があると言い静かに語りだした。驚くべき事実小学生の郁子には残酷すぎる内容が裕美子の口から告げられた。やがて郁子も姉が亡くなった時と同じ16になろうとしていた。「お姉ちゃん。私、もうじき十六よ。」ホラーというより日本的な怪談といった方がしっくりくる。人恋坂といわれる坂の上に建つ家の恐ろしくも悲しい話。郁子の周りで人が次々と死んでいく。人恋坂に雨が降ると何かが起きる。2019/11/16
あむぴの
38
●●カドフェス2015発見!角川文庫●●95/98冊目。若いころ、三毛猫シリーズをよく読んだなと思い、この本を手にした。やや分厚い本でも、集中力が途切れることなく最後まで読むことができた。坂を舞台にしたストーリー。人がたくさん死にすぎだが、姉の事件の犯人がわかるまでドキドキしながら読んだ。2002年1月。2016/06/06
coco夏ko10角
28
郁子が9歳のとき謎の死をとげた25歳の姉、お葬式の日に知ったこと、そして郁子は16歳になり…。たくさん人が死ぬ。坂を転げ落ちるようにどんどん死んでいく。幽霊もだけど、犯行後も変わらず過ごしてた犯人が怖い。2020/03/17