出版社内容情報
永遠の命とはなにか。不死の〈火の鳥〉を軸に、人間の愛と生、死を、壮大なスケールで描く。天才手塚治虫が遺した不滅のライフワーク。各巻カラーイラストの表紙、巻頭に十六頁カラーを掲載。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
新地学@児童書病発動中
115
『火の鳥』は何度読んでも面白いし、新しい発見がある。この巻は『ヤマト編』と『異形編』の2つを収録。今回は異形編に出てくる化け物たちが印象に残った。かなりグロテスクで気味が悪いのだけれども、思わず見入ってしまうような魅力もある。これらの化け物たちは、手塚治虫や私達の心の中に巣くっていたデーモンかも知れない。悪の表現の仕方でも手塚治虫は比類のない表現者だった。2014/12/08
yoshida
47
「ヤマト編」、「異形編」を収録。「ヤマト編」ではヤマト王朝第五王子ヤマト・オグナが九州のクマソ征伐に向かう。クマソの王・川上タケルがヤマト王朝の侵略の歴史を書き残しているからだ。歴史は勝者が創る。本当の歴史は様々な角度から検証しないと解らない。オグナはタケルの妹カジカと恋に落ちる。火の鳥の啓示もあり、タケルを暗殺。オグナはヤマトへ戻り父の墳墓を造る。無駄な殉死の習わしを停めようてするが、逆に自分も殉死者の一員となる。再会するオグナとカジカ。殉死者に火の鳥の生き血を嘗めさせ殉死に反対する歌を歌う殉死者達。2015/01/01
can
43
キタ！ヤマト編・異形編めちゃ好みです♥ヤマトの王子オグナと宿敵国クマソの王の妹カジカ。オグナは勇気・優しさ・知恵も持つ絵に描いたようなパーフェクト青年。火の鳥のことを知り、祖国で王の墓の人柱になる人々の為に火の鳥を捕らえる決心をする。毎夜、火の鳥に笛を披露するシーンは特に美しい。火の鳥は人間に殺されそうになることはあるものの、優しくされたことは無かったんやな。ようやくカジカと結ばれるも、悲しいラスト。異形編も時代劇＋SFチックな展開でツボ！恐ろしき因果応報を受け入れ、傷ついた者を治し続ける左近介が尊い。2016/04/21
田中
32
因果応報、今回も気の遠くなるような話でした。私のとっていま読む時なのでしょう。2014/08/09
拓也 ◆mOrYeBoQbw
26
中篇SF漫画。ヤマト編・異形編収録。ツイッターの方で話が出たので久々の再読。火の鳥は神話や伝承、あるいはSFをベースにしながらも、見事に運命決定論と自由選択論のせめぎ合いを描いている名作ですね。特に自分が子供の頃読んだ”異形編”からの影響が大きいのか、好きな作品に円環構造の割合が多いですねー。ヤマト編も火の鳥を代表する名作のひとつです。2015/08/26
