内容説明
鎌倉初期、新たな宗教を打ち立てた法然。その出家の契機となったという父の殺害事件。その真相に梅原猛が迫る。法然の生誕地を訪ねて見えてきた養父母と、本当の父母の足跡。そして、當麻寺奥院で出会った、法然の実母殺害の悲しい事実、実父への思い。いままで隠されていた生身の法然が顕然と浮かび上がってきた―。綿密なフィールドワークによって新たな真実を導き出す、梅原猛による初めての法然論。
目次
序章 法然上人の御影を読む
第1章 「法然伝」に真実を探る
第2章 法然の故郷へ
第3章 法然少年の闇
第4章 母・秦氏のこと
第5章 黒谷篭居
第6章 叡空との論争
著者等紹介
梅原猛[ウメハラタケシ]
1925年、宮城県に生まれ、愛知県に育つ。哲学者。京都大学文学部卒業。立命館大学教授、京都市立芸術大学教授・同学長を経て、87年、国際日本文化研究センターを設立、初代所長となる。京都市立芸術大学名誉教授、国際日本文化研究センター顧問。92年、文化功労者に選ばれ、99年、文化勲章を受章。著書に、『隠された十字架―法隆寺論』(新潮社、毎日出版文化賞)『水底の歌―柿本人麿論』(新潮社、大佛次郎賞)『ヤマトタケル』(講談社、大谷竹次郎賞)など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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鈴木貴博
1
梅原先生が法然上人の生涯と教えに迫る。様々な文書を渉猟し、読み込み、現地に赴き、伝承なども丹念に集め検討していくことによって真相に迫っていく。上巻は漆間氏、父母、夜討事件、師匠の変遷などについて検討し、上人の人格形成、思想形成の背景を明らかにしていく。大変面白い謎解きの連続。2020/08/28
Melody_Nelson
1
出自についての言及が多いので、これで終わってしまうのか?と危惧したら、教義の記述が出てきて、いきなり難しくなった…。でも面白いです。もっとちゃんと理解できるようになりたいけど…。2014/04/16