内容説明
そこには、いた。漠とした不安を抱え、泣いていた子供の自分が。桟橋を離れていく船の上に、白いブラウスの少女を探した少年の自分が。会社を辞めることを一年悩み続けた十数年前の自分が。そしてそこには、いつも黄色に点滅する信号があった。「もうすぐ赤」をアピールする信号に僕はいつもあわて、とまどっていた―。少年時代の忘れがたいあの日、憧れた異国の山々、息子、娘、妻、大切なものたちへのゆれる想いを綴ったエッセイ集。
目次
第1章 三角乗り図鑑
第2章 白いブラウスの少女
第3章 珈琲ブレイク
第4章 一枚の地図
第5章 黄昏の街角
第6章 黄色い信号機
第7章 20年目の家出
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- 暗闇の囚人 ハヤカワ文庫