角川文庫<br> 海の短篇集

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角川文庫
海の短篇集

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  • サイズ 文庫判/ページ数 146p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784041762042
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

空港からホテルまで乗ったタクシーの運転手は、“黒魔術に気をつけろ”と言った。なんでもこの島には一般人に紛れて、黒魔術を使う魔術師が大勢いるらしい。彼らから、恨みはもちろん大金を見せたりして妬みもかってはいけないという。そして、彼らは、左手の掌に不思議な模様の入墨をしているらしい。島から悪い想い出を持ち帰ってほしくないという、郷土愛に満ちた運転手の忠告を、わたしは話半分で聞いていたのだが…。(『黒魔術』より)美しい南国の海に秘められた、幻想的で不可思議な掌篇小説集。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

新地学@児童書病発動中

100
物語の中に海が出てくる短編集。読みやすくて、面白い。短いながら、確実にこの世の外に連れ出してくれる傑作ばかりだ。人を喰ったユーモアを感じる「何を入れる箱」も好みだし、「成長する石」のように説明のつかないシュールな物語も面白かった。一番の好みはホラー的な「人の魚」。私が旅先で釣り上げた魚は普通の魚とは異なっていて……。ぞっとする結末で、登場人物の一人が最後に口にする言葉は怖くて、悲しい。2018/06/03

レアル

61
昔「世にも奇妙な物語」といった内容のテレビ番組があったが、この短編も同じような類の物語が描かれている。この奇妙だったり不思議な部分の「どうして?」はここでは不問なのだ。この短編はその不思議さを愉しむ物語なのかもしれない。幻想的かつ独創的な世界の物語で読了後は爽やか。タイトルだけに夏にもう一度読み返したい。2017/03/19

@nk

33
目に見えぬ不穏な塊が、のらりくらりとした優雅な旅人に近づいてくる。決して怪しい物語に終始しないのは、普遍的な手触りがあるからか。あるいは美しい装幀のせいだろうか。歯切れ良く、穏やかでありながら適度な重さを持つ、そんな著者の文態が心地よい。/不安定な美しさ、とでも言えようか。本作は外国の海を舞台にした12篇。ラジオ小説の原稿を加筆したもであり、単行本のときのタイトルは「透明な地図」。やはり原田宗典は好きだ。似たような展開が続くこともありながら、存外に受け入れられるのは、ちょっとした贔屓目からかもしれない。2021/10/12

Gin&Tonic

14
南の国の海を舞台にしたショートショートストーリー集。一篇が10ページ前後と短いので、時間が空いたときに読める……と思いきや、一息に最後まで読み切ってしまいました。おもしろかった。淡々と捻りがきいていて不思議で怖いこの感じ、星新一氏のショートショートと少し似てるかも。南洋の風土のエッセンスが非常に好みでした。「取り憑く島」「岬にいた少女」「人の魚」が個人的に良かった。2015/02/24

ELLIE

12
タイトルに惹かれて手に取った本。とても読みやすかった!簡潔な言葉で、海辺や岬からの景色がイメージがしやすいからかしら。ホットコーヒーを持って、海辺でぼーっとしたくなりました☕️2018/12/16

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