内容説明
暗澹たる時代へと変質していく世紀末、1998年。闇の東京郊外でからくり芝居を催す奇怪な一団が現れた。彼らは秘術で『帝都物語』の魔人・加藤保憲を現代に復活させようとしていた―。医師・高山利郎は、患者たちの奇行を独自に調査した結果、『帝都物語』の世界が余りにも現実と類似していることに愕然とする。そして、架空であるはずの加藤が実在したのではないかと疑い始めるのだが…。現代の大惨事を予見した大崩壊小説(カタストロフィノベル)が、時代の要請に応え、ふたたび甦える。奇才が五年ぶりに放つ渾身の魔術大全。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Oh!やまびこ
4
この様な外伝の存在を知らずにいた。これまでの作品(書籍・映画)を土台(ネタ)に空想伝奇として仕上げられており面白かった。作中に数々の祭りの名称があげられており、どんな祭りなのか興味が湧く。是非、自分の目で確かめてみたい。かくして、令和の世に「加藤」が現れる事は無いのであろうか・・・2023/02/06
カマー
3
あくまで小説の物語の中のキャラでしかない加藤が現実の存在として復活しようとする陰謀を描いた帝都物語のパロディ的外伝作品 本編の魔術要素は薄く主に傀儡と神降ろしがメインとなっている ラストはあっさりと終わり物足りない 作者の別作品シムフースイシリーズのキャラもチョイ役で登場する 帝都物語の名言「カトーが来るぞ!」は映画版なんだよね2015/06/05
戦狐
2
『帝都物語』と加藤保憲が実在するという、かなりメタな世界観での外伝です。 作者の別作品シム•フースイシリーズの風水師黒田龍人も出てきます。 この巻でのテーマは傀儡。傀儡やそれにともなう芸能の歴史が講釈されるので面白いといえば面白いのですが、今までよりオカルトや魔術要素が薄いのでちょっと物足りなく感じます。2014/04/13
とりふぃど
2
カトーがくるぞ!手前味噌かとも思える小説、映画の話に懐かしくて大笑いしました。これ続かないのかなぁ。シムフースイの黒田さんも出演。ほとんど友情出演かと思うような出番の少なさ。2011/05/09
黒蜜
1
面白かったです。これまでの『帝都物語』をフィクションとした上で成り立つ外伝というのが新しいというか。現実とフィクションが加藤保憲を通して交錯するというのが。2016/10/19