感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイ
104
壬申の乱についてのまさに私説の創作。読み物としては面白いが、歴史に詳しくない私からみても、さすがに終盤にここまでくると無理があるのではと思える展開。渡来人がいかに多かったとはいえ…。読書を通じてこの時代の顔ぶれがずいぶんと理解出来たので、読んだ目的は達成出来て満足。2020/11/26
とも
35
★★★★壬申の乱とはなんであったのかを読み解く、井沢風古代史ロマン。それは、大化の改新から連綿と続く皇室内確執、三韓(任那、新羅、高句麗)に対する日本の援助関係と大国 唐に対する恐怖、またその対策に対し費用捻出するための政治などを広く絡ませた、あたかも大河ドラマと呼べるスケールである。内容の正誤は別に、読み物として十分に楽しめる作品である。2017/11/19
kagetrasama-aoi(葵・橘)
21
井沢氏の独自の解釈に因って描き出された、壬申の乱辺りが舞台の歴史小説。面白くて一気読みでした。中大兄皇子がちょっと悪く書かれ過ぎって感じがしました(苦笑)。比して大海人皇子が良い人過ぎ!このあと、どうなったの?(大体知ってますけど!)里中さんの『天上の虹』読もうかな(笑)。2020/08/15
TheWho
18
「逆説の日本史」で異彩を誇る著者が描く、歴史IF物語「日本史の叛逆者」シリーズの第1弾で、出生に各説がある大海人皇子を主人公に、乙巳の変から白村江の戦い、そして壬申の乱に至る激動の古代史を中大兄皇子との確執と政争を中心に描く古代史絵巻。物語は、大海人皇子を皇極天皇が新羅の高向王との間に設けた漢皇子で、天智天皇の異父兄であると云う説を下敷きに、百済と新羅との争いに韓半島を狙う唐の思惑と日本の安全保障が絡んで引き起こされたのが、壬申の乱であったと云う結末だった。真偽はともかく悠久な古代史を堪能できた一冊です。2017/02/22
再び読書
7
中大兄皇子の暗い面を炙りだした作品。入鹿、鎌足の人間模様も描いたのが印象的だが、残念ながら少し切り込みが甘く感じる。「逆説の日本史」での切れ味に比べると物足りない。2012/10/20