内容説明
皇子と各務が飛鳥を旅立ち三か月が過ぎたある日、二人は琉求の北端、辺戸へと漂着した。そこは果物がたわわに実り魚がふんだんに採れる、“満ち足りた国”だった。しかし、そこに待ちうけていたものは、純粋に生きること―試練そのものに他ならないのだった。やがて二人は互いを意識し始め、愛に眼ざめてゆく。ニライカナイを求めて旅は続く。遙か遠い水平線に溶けた神…太陽。それは、幾多の試練を見守り、幾多の夢を育むのだろう。華麗なる異次元歴史ロマン第八弾、灼熱の風に彩られて登場。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いおむ
8
既読済みです。2019/08/13
かず
3
満たされた国を求めて旅をする皇子とかがみ。琉球でその国とはどんなものかを探る。キジムナーとの出会いもあり、核心へと近づく。文明は本来あるべき自然への畏敬の念を薄れさせてしまうということがわかる。発達した文明は権力の温床となり、生命を腐敗させてしまう。美しきは自然のままに生きること。それこそ満たされた国ということだろう。しかし文明によって病や災害から多少なりとも被害を減ぜられていることも否定できない。太陽信仰によって生命力を得たふたり。二人の愛はいづこへ流れていくのか?2014/06/08
黒蜜
2
面白かったです。なんとなく…南方にいいところがあるというのは仏教的なのか。沖縄にはというか琉球には琉球の苦労があると思うのですが、大和朝廷と違うからって一概に満ち足りているとは言い難い…と今は思うな。ただ、皇子の思い描く将来を考えるにはいろいろ見ておく必要はあったのかも。そしてマスコットキャラの登場といよいよ各務がヒロインとしてクローズアップされてきます。2015/12/17
ゆう
2
霊力を持たぬ各務との旅の中に隠された小角の試練は、霊力を持っているということを改めて考えさせる。かつて「満ち足りた国」だった目的地は外界との接触により失われつつあった。道の世界は良いことも悪いことも与えてくれるけど、その中のどれを取り入れるかは自分たちの判断にもかかっているということだろうか・・・。2012/10/15
愛奈 穂佳(あいだ ほのか)
1
【大学在学中の4年間で、卒業後に進みたい業界に関係ある本を1000冊読みなさい、と言われたので挑戦した記録】 #6171997/06/30