内容説明
夏の海が吼えていた。灼けつくような陽をあびて、私は教会の葬礼に参列した。不意に、渇いた視線が突き刺さる。危険な匂いが漂う男、川辺との出会いだった…。やがて、川辺は芳林会の内部抗争を惹き起こす。だが、奴の標的は別の何かだ。トラブルしか縁がないために「ソルティ」と呼ばれる私は、この街の利権抗争に深く踏み込んでいく―。酒瓶(ボトル)に懴悔する男の哀しみ。街の底に流れる女の優しさ。虚飾の光で彩られたリゾートタウンで、ハードボイルドの系譜を塗りかえる弧峰の大長編小説の幕があく。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ねこまんま
37
「約束の街」シリーズ、第一弾。 ブラディ・ドールシリーズを読んだ後なので二番煎じ感が否めない。 私が年を取り過ぎているのか、この作品が書かれた当時の時代感なのかわからないけれど、登場人物の実年齢と描写のギャップにびっくりする。 シリーズものなので続けて読んでみるが、ブラッディの後で読むか先に読むかで評価が分かれるんでないか? まあ、はっきり言って、同じようなテイストですわ。2016/08/10
琵音
5
私もブラディドールシリーズとの結合待ちで読み始めました。今のところ、ブラディドールのヤクザよりもこっちのヤクザの林ほうが物分りよく感じる程度の感想です。主人公の若月はただの熟成されたチンピラあがりにみえなくもないですね。それに最初の方はブラディドールシリーズとあまり差がないような感じが否めません。またこの本でもバブル期の地方都市の描写が興味深いです。2012/12/07
眠る山猫屋
5
再読。ブラディ・ドールのシリーズを読み返したかったが、埋もれて発掘できず。関連のこちらを読み始めました。見えない因習が見え隠れする新興リゾートに焦臭い匂いの男がやってきて…でてくる男たちは、みなカッコ良すぎ。小説家と私設ボディガードがお気に入りです。2012/11/15
おはな
5
ハードボイルド。気障な男たち。気障っぷりは見事です。セリフも今まで以上に気障。それにしても、今作は、読んでいる最中、お酒じゃなくて、コーヒーが飲みたくなってきました。キリマンジャロを。2010/12/21
Nobuko
4
北方節炸裂でした。この文章のリズムが好きです。2016/12/06