内容説明
心ならずも京から江戸の将軍家へ嫁がされた悲劇の皇女和宮。その和宮を卒論のテーマに選んだ美雪の実家は、降嫁行列最大の難所であった木曽路の馬篭にあった。調査のため帰省した美雪は、母親が殺人の嫌疑をかけられていることに驚く。一方、別の殺人事件を調査していた浅見光彦も、被害者の出身地・木曽の妻篭へ向かっていた。同じ時期、雨の夜に起こった二つの殺人、そして妻篭で作られた和宮の柩と、東京・芝の増上寺にある墓に納められた柩―。伝説と事件の謎を大胆な発想で解き明かす歴史ミステリー。
著者等紹介
内田康夫[ウチダヤスオ]
東京都出身、現在は軽井沢に在住。1980年、『死者の木霊』を自費出版してデビュー。1982年には、浅見光彦が初めて登場する『後鳥羽伝説殺人事件』を上梓。以来、全国を旅して日本人の心の琴線に触れるミステリーを書き続けている
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感想・レビュー
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はかり
8
内田康夫は初読。文体はやや古風だが、読みにくいことはない。入り組んだ事件を詳細に且つしつこく追うのは浅見光彦。この浅見は著名なシリーズになっているそうだ。皇女和宮にこんな謎があるとは知らなかった。歳を取っても知識や知恵がついてこないのは困ったもの。2018/12/11
もかすけ
2
和宮にはさらっと触れただけ程度。兄の権威をカサに着て、3つの警察を翻弄?するというめずらしい展開。最後はちょっと冷たすぎるんじゃないか。光彦童貞説もうなずけたりする。2023/10/26
涼
1
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2012/11/post-6595.html2017/02/28
まるちゃん
0
ワンパターン
如雨露屋
0
悲劇の皇女といわれた和宮の柩の謎を巡る歴史ミステリー。そこに絡んでくる人間たちの因縁が事件をさらに複雑化してゆきます…高速道路のパーキングエリアでのトリックや東京・芝増上寺で発掘された柩に収められていた歴史を変えてしまったかもしれない遺品すり替えの推理など、ワクワク感が抑えきれないほど読みごたえがありました。旧中山道の宿場跡、馬籠や妻籠の風景描写も鮮やかで旅情感もたっぷりでした。今回は天婦羅蕎麦の蕎麦抜きなるメニューが登場、粋です。2015/06/21