内容説明
浅見家の出来の悪い「坊っちゃん」として肩身の狭い思いをしているぼくは、おふくろの説教から逃れるように漱石や子規の足跡を辿る松山取材に出かける。途中、瀬戸大橋で出逢った「マドンナ」に痴漢と間違われて「イノブタ」警官に睨まれたりしたが、名跡を訪れて文豪たちを偲んだり、内子座で句会を覗いたりするうちに、そんな不快なことも忘れていた。だが、その「マドンナ」が殺され、しかも第一容疑者はぼくらしい―!?名探偵の浅見自身が軽妙に語る文学散歩ミステリー。
著者等紹介
内田康夫[ウチダヤスオ]
東京都出身、現在は軽井沢に在住。1980年、『死者の木霊』を自費出版してデビュー。1982年には、浅見光彦が初めて登場する『後鳥羽伝説殺人事件』を上梓。以来、全国を旅して日本人の心の琴線に触れるミステリーを書き続けている
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感想・レビュー
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Taka
38
浅見光彦シリーズ。坊ちゃんの名の付くことから夏目漱石の作品に絡むであろうことは容易に想像がつく。舞台は松山、そこで起きた殺人事件を浅見光彦が見事に解決。スッキリ一気読み。2019/11/03
さくらさくら
13
浅見光彦シリーズ。 自作解説にもあるが、夏目漱石の『坊っちゃん』を読んでいるとより一層楽しめるらしいが、残念ながら私は坊っちゃんを読んではいるが、小学生の頃で記憶の彼方…。 積読本のかまわぬの装丁の『坊っちゃん』を先に読んでおけば良かったとちょっと後悔です。 しかし、それでも楽しめた。浅見光彦シリーズは安定の面白さ。満足。2018/09/04
カズザク
2
世間の平均以上に、本を読んできたと思う。でも、日本・海外を問わず、教科書に出てくるような名作は殆んど読んでいない。勿論「坊っちゃん」も…。だから、所々に?あちこちに?盛り込まれた「坊っちゃん」を、殆んど理解出来ていない。面白さ半減?も、それなりには楽しめたと思う。いつもと比べると、切札の登場・発覚が遅かったように思う。俳句に使われるごく普通の文字と、月刊誌の掲載ページ。たまたま、ある人物の行動…日と場所と一致する。その場所が、ある会社の事業所の所在地と重なる。ある人物も、下品さが強調され…上手く騙された。2022/10/04
teichan
1
夏目漱石の「坊っちゃん」の登場人物や設定が面白かった。内子座、道後温泉と麻薬密売をからませハッピーエンドに終わる展開に一時はハラハラドキドキで一気に読み進んだ。そして最後のどんでん返しはまさかと思わされた。軽妙、コミカルな作品になっていたと思う。2012/11/13
甘味
1
そういえば夏目漱石の坊ちゃん、ちゃんと読んだこと無いなあ。浅見視点で進んでいくストーリーはおもしろい!2011/04/14