出版社内容情報
古い駅には、乗降客の哀歓を見つめてきたような味わいがある。近年の機能主義で派手な新改築駅にはない駅の歴史の重みにふれ、その素顔と人間模様を綴る1章の他、ふらりと出かける旅の楽しさを綴ったエッセイ集。
内容説明
北海道の夕張駅は二度も移転した珍しい駅だ。石炭産業の衰微によって路線が短くされ、その度に駅は移された。古い駅には、近年ふえている機能主義の新改築駅にはない味わいがある。乗降客のこと、そこに働く人びとの思い、鉄道の移り変わり…。駅はすべてを見ている。駅の素顔と人間模様、ふらりと気ままに出かける旅の楽しさを軽妙に綴り、大人の旅心をくすぐるエッセイ集。
目次
駅は見ている(夕張駅の移転;小牛田駅と古川駅;山形駅の二つのゲージ ほか)
車窓・駅・駅弁(車窓16選;日本の路面電車;好きな駅・気になる駅 ほか)
フリーきっぷの旅(行方定めぬ「阿房列車」―青春18きっぷの旅;自由気ままに九州ひとり旅―周遊券の旅;田園調布から一九〇円で「台湾」へ―東京路線バスの旅 ほか)
著者等紹介
宮脇俊三[ミヤワキシュンゾウ]
1926年、埼玉県川越市に生まれる。1951年、東京大学文学部西洋史学科卒業。出版社勤務を経て、鉄道紀行を中心とする執筆活動に入る。著書は、『時刻表2万キロ』(第五回日本ノンフィクション賞)、『時刻表昭和史』(第六回交通図書賞)、『殺意の風景』(第十三回泉鏡花文学賞)、『韓国・サハリン鉄道紀行』(第一回JTB紀行文学大賞)ほか多数。1999年、第四十七回菊池寛賞を受賞
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