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角川文庫
駅は見ている

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  • サイズ 文庫判/ページ数 220p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784041598092
  • NDC分類 291.09
  • Cコード C0195

出版社内容情報

古い駅には、乗降客の哀歓を見つめてきたような味わいがある。近年の機能主義で派手な新改築駅にはない駅の歴史の重みにふれ、その素顔と人間模様を綴る1章の他、ふらりと出かける旅の楽しさを綴ったエッセイ集。

内容説明

北海道の夕張駅は二度も移転した珍しい駅だ。石炭産業の衰微によって路線が短くされ、その度に駅は移された。古い駅には、近年ふえている機能主義の新改築駅にはない味わいがある。乗降客のこと、そこに働く人びとの思い、鉄道の移り変わり…。駅はすべてを見ている。駅の素顔と人間模様、ふらりと気ままに出かける旅の楽しさを軽妙に綴り、大人の旅心をくすぐるエッセイ集。

目次

駅は見ている(夕張駅の移転;小牛田駅と古川駅;山形駅の二つのゲージ ほか)
車窓・駅・駅弁(車窓16選;日本の路面電車;好きな駅・気になる駅 ほか)
フリーきっぷの旅(行方定めぬ「阿房列車」―青春18きっぷの旅;自由気ままに九州ひとり旅―周遊券の旅;田園調布から一九〇円で「台湾」へ―東京路線バスの旅 ほか)

著者等紹介

宮脇俊三[ミヤワキシュンゾウ]
1926年、埼玉県川越市に生まれる。1951年、東京大学文学部西洋史学科卒業。出版社勤務を経て、鉄道紀行を中心とする執筆活動に入る。著書は、『時刻表2万キロ』(第五回日本ノンフィクション賞)、『時刻表昭和史』(第六回交通図書賞)、『殺意の風景』(第十三回泉鏡花文学賞)、『韓国・サハリン鉄道紀行』(第一回JTB紀行文学大賞)ほか多数。1999年、第四十七回菊池寛賞を受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

saga

35
【古書】新刊ではもはや入手できない著者の本を数冊購入したうちの一冊。駅建物に焦点を当てた珍しい紀行文。後半部分を読むと、フリー切符で訪れた駅を詳述している感じがして、目新しい感じが薄れてしまった。今は周遊券のようなフリー切符の種類が少なく残念だ。2016/05/23

たびねこ

7
著者は鉄道紀行作家の肩書きを持つが、いわゆる「鉄ちゃん」とは違う。鉄道を通して、風土、地勢、人の営み、都市の盛衰、背景の歴史までさりげなく書き込む。出版社の名編集者だっただけあり、適確で、削ぎ落とした文章がここちよい。この夏休み、阿波池田駅、出雲坂根駅に下車してみたくなる。2019/07/25

ソラ

4
内容(「BOOK」データベースより) 北海道の夕張駅は二度も移転した珍しい駅だ。石炭産業の衰微によって路線が短くされ、その度に駅は移された。古い駅には、近年ふえている機能主義の新改築駅にはない味わいがある。乗降客のこと、そこに働く人びとの思い、鉄道の移り変わり…。駅はすべてを見ている。駅の素顔と人間模様、ふらりと気ままに出かける旅の楽しさを軽妙に綴り、大人の旅心をくすぐるエッセイ集。 2009/12/29

のぞみ

3
「駅。それは生っ白く機能化された空港とはちがう。百余年におよぶ民衆の集まりの場としての歴史と宿命を負っているのだ。」人、街、物流を繋ぐ『点』である駅と、駅を愛し、保持の為に働く人々。駅はそこで、時に人間に翻弄されながらも、ずっとその町を、日本という国を見てきた。書かれたのは国鉄からJRに変わって数年後。そこから20余年、日本と鉄道は、変わりながらも変わらない。日本初の第三セクター鉄道だった三陸鉄道は今は震災復興のシンボル。これからも駅は、日本という列車を見守り続けるだろう。2016/11/06

のぞみ

2
『僕等は/今日も トンネルを掘り 橋梁を架け/杉の木を倒し/山を切りさいたり 土を盛り上げ/営々と/黙々と/新線を建設している。/この荘重な聖域に/青を返せ 杉を返せ/静寂を奪うな/と風が吹き/狂躁がやってこないか/赤や黄色が舞い散らないか/と雪がなげいていないか。/貫通式を終えたトンネルの暗闇の中で。/架け終えた橋梁の上で。/夜 雪呼ぶ風の音に皆と酒を汲みかわしながら。/ひととき/僕は眼を閉じて考えることがある。」駅は見ている。自然の叫びを、人の悲しみを、街の盛衰を。駅は全てを見ている。2017/07/30

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