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角川文庫
増補版 時刻表昭和史 (増補版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 336p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784041598085
  • NDC分類 686.55
  • Cコード C0195

出版社内容情報

二・二六事件の朝も電車を乗り継いで小学校に通い、戦時下も、終戦の日も汽車に乗っていた……。鉄道紀行の第一人者が、激動の時代の家族の風景と青春の日々を時刻表に重ねて振り返る、感動の体験的昭和史!

内容説明

昭和八年、老いたハチ公を眺めてから、初めて子ども同士で山手線に乗ったのは小学校一年生のときのこと。二・二六事件の朝もいつものように電車を乗継いで小学校に通い、「不急不要の旅行」を禁止された戦時下にも汽車や電車で出かけていた私は、終戦の日も時刻表通りに走る汽車に乗り、車窓風景に見入っていた…。時刻表好きの少年の眼を通して、「昭和」という激動の時代と家族の風景、青春の日々がいきいきと描き出される、宮脇俊三の体験的昭和史。

目次

山手線―昭和8年
特急「燕」「富士」「桜」―昭和9年
急行5列車下関行―昭和10年
不定期231列車横浜港行―昭和12年
急行701列車新潟行―昭和12年
御殿場線907列車―昭和14年
急行601列車信越本線経由大阪行―昭和16年
急行1列車稚内桟橋行―昭和17年
第1種急行1列車博多行―昭和19年
上越線701列車―昭和19年〔ほか〕

著者等紹介

宮脇俊三[ミヤワキシュンゾウ]
1926年、埼玉県川越市に生まれる。1951年、東京大学文学部西洋史学科卒業。出版社勤務を経て、鉄道紀行を中心とする執筆活動に入る。1999年、第四十七回菊池寛賞を受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

saga

21
戦前から終戦までと、増補版で戦後数年間の鉄道をベースにした自分史。渋谷ハチ公の現役の姿を見ていたことに驚きと羨望。戦争に突き進む時代に、鉄道は政策・燃料の両面から翻弄されたのだが、その中で宮脇少年が日本各地へ鉄道旅行に出かけて行ったのがすごい。国策として私鉄を国有化していった戦前・戦中がなかったら、日本の鉄道はこれ程までに発展しなかったかも、と思いながら読了。著者が筆を置いたすぐ後の時代に、百閒先生が『阿房列車』を走らせているのだがから面白い。2013/05/12

クラムボン

16
大正15年生まれの著者が昭和8年~23年までを鉄道と時刻表を軸に語る《体験的昭和史》。青山の付属小・中高は成蹊学園に通う…良いとこのお坊ちゃん。父親は国会議員なので家族も国鉄のフリーパスが使えた。鉄道少年には最高に恵まれた環境だが戦中の旅行は極度に制限されていた。しかし16年には黒部峡谷、翌年には落選した父に伴い事業の為に富良野へ、19年には関門トンネルを見る為に《急行博多行き》、20年8月には疎開先の新潟県村上から山形大石田の炭坑まで父に同行、そこで終戦の詔勅を聴く。後年の鉄道紀行作家宮脇俊三の原点だ。2023/02/19

ドナルド@灯れ松明の火

16
戦前からの時刻表と列車の運行を元に、その頃の作者の生活や想い、戦争に向かい敗戦後に至る日本の状況が描かれる素晴らしい昭和史である。天皇の敗戦の詔勅8/15 12:00にも、列車は時刻通り粛々と運行していたことに驚愕した。時刻表というメジャーを元にぶれない素晴らしい昭和史だった。お薦め。2014/07/18

さっと

11
宮脇作品をあれこれ読んできて、作者自身の思い入れの深い作品ということで再読。時刻表を縦軸に、自身の記憶を横軸に描かれる鉄分多めの昭和史(というより主に戦前・戦中)で、ここ最近ずっと読んできた開高健の同時代の体験の違いにも驚かされ(東京と大阪、歳の差[宮脇が5歳程度年長]もある)、改めて多様な昭和史があるものと認識したしだい。みなさん書かれているように終戦のアナウンスがあったときにも鉄道が動いていたという終章がこたえますね。2019/07/07

hitotak

9
昭和8年から23年までの、著者が乗った鉄道と宮脇家の記録。著者の家庭は子供の鉄道好きに理解があり、少年時代から長距離の鉄道旅を何度も行っていた。当時の駅や車内の人々の様子等が詳細に書かれているのが興味深い。汽車の粉塵のせいで目に石炭滓が入り、暑くても窓を開けられないこと、当時の乗客は何やかやと他の乗客に指示をし、黙って乗っていなかったとか、戦時中、不急不要の旅行を禁じられても切符を手に入れて旅に出、そこには他の観光客もいる…など、当時は当たり前で、今では殆ど忘れられた鉄道を巡るかつての情景が書かれている。2021/10/03

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