角川文庫<br> インド鉄道紀行

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角川文庫
インド鉄道紀行

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  • サイズ 文庫判/ページ数 340p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784041598061
  • NDC分類 292.5
  • Cコード C0195

内容説明

インドは、知られざる鉄道王国である。その歴史はアジアでもっとも古く、鉄道営業キロは六万キロを超えている。人工都市ニューデリー、デリーの旧市街、先進地カルカッタからベナレスの聖地へ。ムガール帝国の旧都アグラ、大都市ボンベイ、デカン高原の大草原を経てインド南端のコモリン岬―。悠久の大地をゆく鉄道の旅は、静と動、無と有、秩序と混沌、静寂と喧騒、富と貧因など、インドの無数の素顔を見せてくれる。誰も語れなかった、とっておきのインド紀行。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

367
宮脇俊三のインド鉄道初体験記。1988年当時、著者62歳のことである。ただし、インドとは言っても破格の大名旅行である。鉄道は基本的にエアコン付きの1等車、食事は原則として高級レストラン、ホテルは「タージ」や「オベロイ」といった超一流。例えばカルカッタ(コルカタ)では「マハラジャの離宮のような」オベロイに「植民地に赴任した弁務官のような気分で」泊まるのである。約2週間の旅だが、最初の1週間は編集者が同行、もちろん全行程に日本語ガイド付き、市内の移動は全て旅行社の送迎車で。これがインドかといえば、⇒ 2021/08/02

mr.lupin

38
今までにイロイロな紀行文を読了してきたが、今回は表題の通りのインドの"鉄道紀行"だった。何となく紀行文とかは、極貧のドタバタしたバックパッカーのイメージがあったが、この作品に関してはその真逆で、列車はエアコン付きの車輌に乗車して、現地の日本語を話すガイドもしっかりと着いており、大きなトラブルや心配もなくある意味優雅な旅行記だったような。でも、鉄道紀行と思えば、車内の様子や雰囲気も伝わってきて楽しめた作品だった。著者の他の作品も読んでみたい。⭐⭐⭐⭐★2022/08/23

たまきら

32
自分のインド格安旅行を思い出し、違いにびっくりしながらも自分の旅は楽しかったなあ…と思いました。キャンセル待ちとか懐かしいな。確かに安い宿には苦労もあったけど、基本的には良い人たちばっかりでとても楽しかった。淡々とした紀行物で、ドラマチックだったり大笑いだったりしないところが自分のドタバタインド旅行と偉い違いでそこも面白かった。ツアーガイドさんいいな。2021/09/29

Toshi

20
僕が紀行文を読んでいて楽しいのは、人や風土とのふれあいなのだが、本書はガイドのポールさんを除いて、人の顔や、街のにおいがあまり感じられない旅の書である。1950-60年代ならいざしらず、80年代後半でステレオタイプ満載のこの大名旅行はどうなんだろう。沢木耕太郎なんかとは対極をなす。著者本人が「鉄道が目的で他は何もいらない」と言っているとおり、車窓から眺めたインドである。2022/04/11

活字の旅遊人

13
読書メーターをはじめて、面白かった作品を振り返る機会が増えた。すると同時に、読み逃し、読み損ねも思い出す。そんな中の一冊。たぶんインドに行くときに読もう、とか考えて読まずにとっておいたのだが、その機会が訪れた時にはすっかり忘れていたのだ。でも、自分と被る区間は、デリー~ヴァラナシだけだ。その区間のみならず、正直な感想を、皮肉混じりの短い文で淡々と書いていく宮脇スタイル。それは、当時の思い出と、おそらくもう見ることのできないインドの景色をありありと浮かび上がらせてくれる。2020/12/01

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