角川文庫<br> フィジーの小人

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角川文庫
フィジーの小人

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  • サイズ 文庫判/ページ数 389p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784041586112
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

洗濯女とイギリスの商人との間に生まれたワヌーバは、南海の小島で芸人として暮らしていた。現在33歳の彼は、7歳で身長が止まってしまっていたが、芸人としてなかなかの人気者だった。その女は、ワヌーバがいつもの様に道化を演じた後の楽屋に突然やってきた。そして彼はホテルに呼び出され初めて本当の快楽を知る。いままで隠蔽していた恥が露出したのだ。その後不眠に陥ったワヌーバは訪れた精神科で、死んだ祖父も実は奇妙な夢に取り付かれていたことを知った…。不思議な祖父の手記、サディストの女市長との出合い。ワヌーバの辿る精神的冒険を綴った異色長編小説。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

内緒です

9
大学の図書館で借りた本。村上龍の作品は、どれも面白いとは思えない作品ばかりだった。でも、なぜが読んでしまう。彼の作品はどれも、博識ある方なんだなぁ、と関心させられるものばかりだ。しかし、今回の作品は考えられない程の性描写が出てきて、ただ一言、キモチワルイ。今回の作品を読んで気づいた。私は村上龍が好きだ。ただそれは、作家・村上龍ではなく、カンブリア宮殿の村上龍なのだ。2011/04/30

アーノルド

6
著者初読作品 初ながら著名な作家との認識は高く、如何なる作風なのか期待大で挑みました 他の方のレビューを拝見すると、どうやら著者の作品群の中でも異例だとか… 確かに“独特の世界観”という枠には収まらないほど異質でとめどない作品でした ここに登場するような性癖の持ち主には理解しやすいのだろうか? 共感し難くも、ワヌーバとリンダの掛け合いは楽しめた ファンタジックなリアルさが見え隠れする不思議な作品でした2017/09/30

こみち

4
何だったんだ…。こんな本は初めて読んだ…。世界観が全くわからなかった…。2014/11/01

大河原想

3
村上龍の小説の中でもさらに異色。小人症の男が女市長のうんこを食わされる話。全面的にSMのモチーフを展開している。物語の本筋に伴奏するように、象に踏み潰される妄想を患って発狂した同じく小人症の祖父の晩年の手記や、男や女の空想の描写が入り乱れる。明らかに小説としての辻褄を無視して実験的な文章を作成している。しかし、それでも読む気が失せないのが不思議で、やっぱり村上龍の身体性は多くの読者と共鳴するものがあるのだな、と思う。身体性さえ共鳴すれば、中身なんてなんでもいいのかもしれない。2018/12/20

501

3
The Mask Clubと似た印象。後半にいくほど終着点を見失い混迷している。人物設定も舞台設定もなし崩しになっていくのもお構いなしに突っ走る執筆力が圧倒的。2013/06/26

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