角川文庫
カルト―39〈3〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 427p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784041577158
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

犯罪者の精神鑑定を担当する精神科医・小川香深に、特養老人ホームで起きた殺害犯への依頼が舞い込んできた。奉仕活動に来ていた頌楽苑・苑主の妻が惨殺されたのである。犯人の伊庭は自供はしているものの、動機が曖昧な上、言動がおかしく離人症の徴候があり、その原因が頌楽苑にあると思われた。頌楽苑は農業共同体をうたっているが、実際は教徒を洗脳する宗教団体だった。内情を調査するために七泊八日でマインドコントロールされてしまう修行に、香深は潜入するが…。宗教によって人格を変えられた犯罪者に責任は問えるか。

著者等紹介

永井泰宇[ナガイヤスタカ]
1941年上海生まれ。69年「鮮血のバプテスマ」で江戸川乱歩賞候補となる
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ろけっと

21
三位一体無争共生の理を掲げ 無所有平等の生活を実践している「頌楽苑」で絶大な人気を誇る苑母様がボランティア先で惨殺された。容疑者は苑母様を女神様と敬愛していた同行者。精神鑑定に疑問を感じた検事から再鑑定の依頼を受けた小川香深の前で容疑者は異様な状態を示す。アーミッシュのような生活共同体にみえた組織の中で行われる特別修養講習会に潜入した香深は恐ろしい洗脳の実態を知る。わずか8日間で洗脳をかけてしまう周到なプログラムに戦いを挑むという内容で、前2作とは毛色が異なる。人格乖離を起こすほどの洗脳は実在するのか?2010/10/17

ちょん

17
おもしろかったー‼️「39」に続編があると知らず、さらにこの本がその続編とも知らず、読みはじめて香深さんにまた会えてめちゃくちゃ嬉しい(*^^*)ただ、また2巻目を飛ばして読んでしまった…不覚。でも洗脳ってホントにすごいな、カルトって本当にこんな風なんだろうか(._.)2018/10/13

くまんちゅ

13
決してつまらない話ではないんだけどちょっと消化不良な感じのする終わり方でした。殺人事件の真相がエピローグだけで語られていたのでそういう印象になったのかもしれません。しかし、香深の洗脳講習への潜入部分は読みごたえがありました。人間はこんなに短期間で変わってしまうのか。実際のところはどうなんでしょうね。カルト集団の一端がのぞける作品。 2014/03/13

mittsko

7
カルト問題を描いた日本の小説として重要と聞き、読んだ。しっかり勉強した物語作者の想像力によるカルト理解、成程よい。しかしどうにも気になるのは、この文体と語り口だ…(´・ω・) すごく読みづらい。読者に届けるべき情報と文字列が不整合と感じるし、語りの人称や時制が不確定、不安定で読みづらい。組織の教育過程でドラッグも暴力も使われていないようだという展開が、137頁になって出てくる。そこで俄然興味がわいた。しかしそれも190頁でついえる… その後また面白さが回復するが… 非常にぎくしゃくした読後感が残った2018/10/17

もるもるこ

4
老人ホームで起きた殺人事件とそれを追う精神科医の話。 洗脳がテーマ。どういう種類の人が洗脳をされやすいのかがよくわかった。実際この知識があれば人間関係において試行してる人もいるのでは?と感じた。2023/07/05

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