内容説明
人は人生において、3回真剣に待つことがあるという。いつ来るか。いつ来るか―。男を待っている女がいる。女を待っている男がいる。大人の男女の微妙な駈けひきと打算。そこに、男と女の妖しい関係が見えてくる。不気味な恐怖とユーモア。阿刀田高が描く、男と女のこわ~いお話。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
9
男と女の関係を描いた短篇集です。やはり阿刀田さん得意の分野でかなり色っぽい場面や恐ろしい結末などが用意されています。主人公はいつもながらそこら辺にいるような人で、いかにも身のまわりにありそうな感じを与えてくれます。2014/05/24
MIKETOM
5
品質のアベレージは高い。各編それぞれ面白さがある。『西瓜流し』『朱いドレス』がよかったけど、一番印象に残ったのが『鈍色の眼』俗に【男は見たがり、女は見せたがり(見られたがり)】なんて言うけれど、これは一面の真実。昔ある本の中に、マンションのベランダで性交する。誰かに見られてるかもしれないと思うと女の興奮がより高まった的なことが書いてあった。この本を読んだある女が自分も同じ願望があると言ったのには驚いた。普段の態度からして考えられなかった。尤も別な女は全くないと言ってたからケースバイケースなんだろうけど。2019/12/20
kthk arm
4
2022年109冊目。ちょいちょいエロいから、次から次に求めてしまった(笑)もっと読みたかったなぁ。2022/10/11
もりの
4
はじめて読んだ阿刀田高!オチがあって、面白かった。これはハマってしまいそう…2018/11/20
Rion
3
初めて阿刀田高を読んだ。星新一に似た読後感。読んでいて、だんだん意味が明らかになって怖くなっていくショートストーリーが多かった。怖かったのは、「鈍色の眼」と「西瓜流し」。次々と過去の振った男や女を思い出していく「藁の人形」も面白かった。どのお話しも、不倫だの浮気だの、自分勝手な大人たちが出てくる。ほかの短編も読んでみたくなった。2017/01/17