出版社内容情報
終戦直後の上野不忍池付近、博打にのめりこんでいく”坊や哲”。博打の魔性に憑かれ、技と駆け引きを駆使して闘い続ける男たちの飽くなき執念を描いた戦後大衆文学最大の収穫!!
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
雲國斎
18
なつかしいあの頃,仲間たちとの麻雀は負けのほうが多かったわ。1979/12/22
taku
13
前の二編に比べると、面白さは落ちてしまうな。麻雀が娯楽として世間に浸透し、哲やドサ健のようなバイニンが居場所を失っていく姿は物悲しい。新世代の麻雀打ち達にはあまり魅力を感じない。三井はなかなか面白いが、もう少し活かせた気がする。麻雀勝負は熱さには欠けるし、登場する女性も、春美はいいけど弥栄は魅力なし。青春編の始まりと同じく、チンチロリンの場面で終わる。変わりゆく時代に馴染めなくても連中はしぶとい。この物語に相応しいラストだ。2015/12/04
太田青磁
13
集団という奴は、どうも性に合わない・金は貸し借りするものではなく、奪い奪われるものと考えていた・いかさまはかまわねえ。だがどう転んでも傷がつかねえ算段をする奴は男じゃねえ・奴は今、反省してる筈。繰り返すが、反省がいい結果を招くことはない・自分は誰の助けも拒絶する。そのために彼女も助けない・世間の風の中で生きるには、汚れることに無神経になる必要がある・勝つには、どこかで、ノンシャランに勝ち運に乗じていかねばならぬのだ・強いも弱いもあるもんか、ただ勝ちゃァいいんだ・博打打ちは総じてケチで、しかも見栄坊だという2014/04/20
Yuichiro Komiya
12
ギャンブルであっても、信念を持って行動する人はかっこいい。ドサ健は永遠の悪役ヒーローだ、2017/05/31
デビっちん
6
勝ち運に乗っかろうとして、足を踏みはずした奴が敗者になる。博打打ちには結果の良否があるだけ。ゆえに反省して反省の資があがることはほとんどない。心配がなく気持ちにゆとりがあると、自然と勝ち運に乗れる。戦後から復興し始める時代背景に、生粋の博打打ちの居場所がどんどん無くなっていった。時代の変化に合わせて生き方を変えないと生き残れない。栄枯盛衰を体験した坊や哲に、青春編の登場人物のその後が、初期設定を思い出させてくれた気がした。スキルも何もないときに上手くいったことは?そのことを今の時代にどう形を変えよう?2015/12/01