角川文庫<br> 滅びの笛

角川文庫
滅びの笛

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  • サイズ 文庫判/ページ数 476p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784041407233
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ばりぼー

40
30年ぶりの再読。中部山岳地帯で熊笹が一斉開花し、この実を餌にする鼠が異常繁殖、十数億の鼠の群れが山梨県を劫略するというパニック小説。昔「ウイラード」という鼠パニック映画がありましたが、スケールはまるで比較になりません。あまりのおぞましさに、読んでいて何度も鳥肌が立ちました。人間が鼠に襲われるだけでなく伝染病が蔓延するに至って、政府は山梨県切り捨てを決断。鉄道や道路を封鎖して他都県への避難を禁止し、狂気にかられた住民によるレイプや暴動が発生、阿鼻叫喚の地獄図が…。どうかフィクションのままであって下さい。2014/06/05

詩 音像(utaotozo)

20
実は西村寿行初読み。ネズミの大量発生による動物パニックもの。読書会の常連さん紹介時「久しぶりに読んでこんなに面白かったかなと…」の殺し文句に惹かれ読んでみた。ハンター事情、人口事情など、背景が今日と異なることはあるが、余人は気にも留めない異変からのまさに地滑り的災害までの展開は大迫力。悪名高い婦女暴行描写の出現には唐突すぎて、なんでそうなるの!?w一貫して賢明だった筈の右川が最後にとる「わしには、わしなりの考えがある」とした不用心な行動には「いやいやいやいやいや!ダメでしょ!」と突っ込まずにはいられないw2018/12/29

おぎにゃん

10
圧倒された。自衛隊をも無力化してしまう20億の鼠群。全ての対抗手段を奪われ、国家に見捨てられ、自暴自棄に陥る住民たち。終盤の、山梨県知事が首相に放つ悲痛な叫び。そして、人間はこの星の王者ではないことを突きつける、見事なラストシーン…叙情的文体が、人間の無力さのみならず、鼠たちの哀しみをも描き出し、滅びの美学を奏でる。名作である。2014/07/19

村山トカレフ

9
懐かしい寿行さんお得意の動物恐慌物。今回の下手人(?)はどぶのねずみ。かつて、某青い心臓なるバンドが「どぶ鼠みたいに美しくなりたい」なんてのたまっていたがとんでもない。本作の彼奴等は美しくないどころか、どんな猛獣よりも恐ろしい。その数20数億匹以上。統制を取りながら進撃し、都市を劫掠し人をも喰らう無双の軍団。こんな話は夢想であって欲しい。40数年前の作品だが色褪せない、まごうことなき名作。「動乱と荒廃は心に幻を生む」が沁みた。そのとおりだと思ふ。別離の傷が癒えない女子のガードが緩い所以。ラストは壮大圧巻。2018/05/31

ちゃま坊

6
ネズミのパニック小説。読みやすい文章で映画を見ているようにグイグイ引き込まれる。エログロの部分が強く後半部はやや不快に感じる。右川博士のモデルはたぶん宇田川竜男氏だと思う。生態系を乱す狩猟を戒める内容になっている。2015/10/11

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