内容説明
花、つまり女性についての興味深い二編で、この一冊。ひとつは、良きデザインとしての女性の体、なかでも胸のふくらみに関する、形而上的な熱意を表現した文章集。そしてもうひとつは、小津安二郎監督の名作映画『晩春』『麦秋』『東京物語』の三作のなかで原節子が演じた、三作に共通して登場する美しい謎の人「紀子さん」をめぐる、対話による謎解きです。花を主題にした一冊、だからタイトルは『花なら紅く』。
目次
胸のふくらみがこう語った
紀子が三人いた夏
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
新田新一
5
「胸のふくらみがこう語った」と「紀子が三人いた夏」の2編を収録。前者は女性の胸の美しさを語り続ける内容で、生々しくならず透明感があるところが作者らしいです。後者は、片桐義男しか書けない傑作。小説であり、映画論であり、さらに社会論でもあります。原節子の演技を論じながら、日本の社会の中にある女性を抑圧する歪みを浮き彫りにします。こじつけと批判することもできますが、私は正しいと思いました。昔の日本では、女性はただ子供を産むだけの存在と貶めれている面がありました。2023/08/06
りんご
2
女性の胸と小津安二郎監督の3作品を物語り中で解説。少し変わった趣向です2023/03/31
TAC
0
93年読了
ふみ
0
おしゃれ