内容説明
大坂城落城により、天下を握ったはずの家康に驚倒すべき情報がもたらされた。真田幸村の秘策により、五人のくノ一が信濃忍法を駆使して秀頼の子を身ごもったというのだ。しかも、その五人は家康の孫娘、千姫の侍女の中にいるという。隠密のうちに禍根を断つことを決意した家康は服部半蔵に命じて、伊賀国鍔隠れの谷から五人の忍者を呼び寄せるが…。千姫と家康の確執、伊賀忍法と信濃忍法の妖しく凄絶な争い。著者自ら忍法帖の代表作として推した傑作中の傑作。
著者等紹介
山田風太郎［ヤマダフウタロウ］
１９２２年兵庫県生まれ。東京医科大卒。４７年『達磨峠の事件』で作家デビュー。４９年『眼中の悪魔』『虚像淫楽』で探偵作家クラブ賞を受賞。その後、５８年『甲賀忍法帖』を発表し忍法ブームに火を付けた。また、『警視庁草紙』『明治十手架』等で、開化小説にも新領域を開いた。２００１年没
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感想・レビュー
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10$の恋
37
大坂夏の陣、落城前日に真田幸村の指示で五人の｢くノ一｣が豊臣家の子孫を残すべく、一夜で秀頼とまぐわった。信濃忍法｢吸壺の術｣で秀頼を絶倫にして。一方救出された家康の孫千姫は、もはや心は豊臣家。秀頼の子を胎内に宿したくノ一は密かに千姫の従者として江戸へ。それを見破る服部半蔵。屈指の伊賀忍者に闇での抹殺を命ずる。千姫側近のくノ一が受けて立つ。男女忍びの攻防が始まった。女の武器を駆使する忍法に、男忍者は如何する。妖艶漂う丁々発止、技と術とがもつれ合う。果たして秀頼の落胤は？ふむ｢くノ一｣を官能…いや堪能した✴️2021/08/23
キャプテン
37
★★★★☆＿「忍者ハッタリくんだってばよ！フェア」第一弾。にんにん！拙者、忍者のたまご、忍たまでござるよ！忍術は何もつかえないけれど、ハッタリだけで上忍になってみせるってばよ！上質なハッタリには知識が必要なり！今回勉強するのは、真田くノ一衆！妖艶な忍術を駆使し、男をいちころに！拙者もとりこになったでござる！秀頼の落とし胤を宿したくノ一衆と伊賀忍者の壮絶な殺し合いに身震いしたでござる！終始ただよう妖気のようなもの、なるほど！勉強になったってばよ！忍びには妖しさが必要なり！これはハッタリに使えるでござる！！！2019/06/12
ヨーイチ
22
娯楽に徹した一品。充分に堪能。忍者物と云う全く新しい分野を開拓し、後に続く者に多大な影響を与えたという事がよく分かる。気がついたのは、所謂「超能力」はあまり出てこない事。胎児の移動（！）をテレポートではなく、体術で行っている。敵の精神を操るのもテレパシー系ではなく、生物学、化学的方法が取られている。現代では却って新鮮。それにしても、女性には伝聞を憚られる忍法の数々。女性の感想を聞きたい気もするが、かなり少ないでしょうな。最後の闘争は圧巻。量産する作者のエネルギーが凄い。一時期の永井豪を思い出した。続く2012/10/06
ヨーイチ
18
チョットルール違反。ずっと見たかった東映映画版(くのいち忍法)を観る事が出来た。楽しくってニヤニヤ笑いっぱなし。東映の低予算お色気路線なのだが、ストリッパーを使ったり(此れが今となっては懐古調で仲々)している。この人達は脱ぎ女優と別扱いなのね。クレジットにも出てくるし。仇役の伊賀忍者として小沢昭一と山城新伍が。すぐやられちゃうけど。山風らしく、皆んな必殺技を申告する。端折ってはいるけれど、脚本がしっかりしてる。おお、倉本聰が参加している。2015/06/13
刻猫
3
度肝を抜かれる設定の数々。圧巻の描写に最後まで惹き付けられた。2012/04/09
