角川文庫<br> 霊長類 南へ

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角川文庫
霊長類 南へ

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  • サイズ 文庫判/ページ数 276p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784041305195
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

毎読新聞の記者澱口は、恋人の珠子をベッドに押し倒していた。珠子が笑った。「どうしたのよ、世界の終りがくるわけでもあるまいし」その頃、合衆国大統領は青くなっていた。日本と韓国の基地に原爆が落ちたのだ。大統領はホットラインに手を伸ばした。だが遅かった。原爆はソ連にも落ち、それをアメリカの攻撃と思ったソ連はすでにミサイルを。ホテルを出た澱口と珠子は、凄じい混乱を第三京浜に見た。破滅を知った人類のとめどもない暴走が始ったのだ。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

harass

88
十数年ぶりの再読。世界終末もの。1969年発表で、さっき調べて初めて知ったが、第一回星雲賞(日本長編作品)受賞作だそうだ。中国のミサイル基地のしょうもない騒ぎで誤射された三発の核ミサイルは米ソ日に着弾した。かくて、核のパイ投げが始まった…… 古いと思う箇所が多いのだが、ハードボイルド文体のキビキビさと映像的な描写の容赦ないドタバタの徹底性に呆れ感心。時おり吹き出るこの著者お得意のフレーズに吹き出してしまった。なにかすごいものを読んだという印象があったが、再読でも変わらず。正直何も救いはございません。b2018/12/21

ジンベエ親分

44
小学生の時に読んで母親に「早漏ってなに?」と聞いてしまったという黒歴史を俺に刻んでしまった本(笑)。ブックオフで見かけて40年ぶりに再読。東西冷戦の折、核戦争で人類滅亡というテーマは雨後の筍のごとく書かれたが、その中ではネビル・シュートの「渚にて」と双璧をなす名作ではないか。読後感は真逆だが(笑)。初期筒井の定番のナンセンスドタバタ劇で人類の終焉が語られるのだけど、まあ確かに人間のやることなんてドタバタ以外の何物でもないな、と今読むとふと思う。それにしても早漏の読みは知っていた小学生ってのもどうよ(笑)2017/04/13

メタボン

40
☆☆☆☆ なかなかの傑作だった。今読めば確かに古さも感じられるが、人間の愚かな間違いで終末に突き進む可能性はゼロではない。パニックになって、自ら阿鼻叫喚の地獄に突き進んでいく群衆の姿が滑稽でも哀しくもある。2020/06/22

山下哲実

22
えげつない描写が多々あるが面白かった!2016/10/12

JiRO

20
核爆弾の誤射から始まる世界戦争、果ては人類絶滅。エロありスプラッタあり、まるでB級映画のよう。途中途中、心底から辟易するような反吐が出るようなシーンがあって人にお薦めできる本ではなかったと感じた。しかしながら、この小説の初版発行が1974年とは思えない面白さ。筒井先生、大好きです。2022/08/26

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