角川文庫<br> 幻想の未来

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角川文庫
幻想の未来

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  • サイズ 文庫判/ページ数 223p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784041305010
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

いたろう

38
吉村萬壱「クチュクチュバーン」を読み、同じく人間が異形に「進化」する話として比較してみたくなり30数年振りに再読。改めて読んで「クチュクチュバーン」など問題にならない程の大傑作であると再認識。話のスケール、奥深さ、衝撃度が格段に違う。ドタバタや実験的な小説の印象が強い筒井だが、やっぱり一流のSF作家だったのだと改めて確信。「時をかける少女」を読んで、筒井のSFを読んだつもりになっている人に、是非、この「幻想の未来」を読ませたい。2014/03/02

saga

35
【再読】中編である表題作と、9つの短編。核兵器の使用を経験した第2次大戦後の冷戦時代には、第3次大戦ともなれば核戦争により人類が滅亡することがリアリティをもっていた時代だった。著者は、放射能による突然変異体が様々な進化のフェーズを経て有機体を持たない意識だけの存在へ昇華(?)する未来を描き出した。惜しむらくは、その中の一つに独立して発表された「血と肉の愛情」の焼き直しが入ってしまったことだ。カバーは(読メの画像とは異なる)青い地球を背景にキリストの『十字架降架』をあしらったものだ。2016/10/03

メタボン

31
☆☆☆★ 表題作はシリアスな未来像。愚かな核戦争により現実のものと」ならないことを祈るのみ。読んだあと少し寂しい印象を残す「時の女神」「白き異邦人」の2作品が特に良かった。「アフリカの血」「ふたりの印度人」「ラッパを吹く弟」はシュールな味わい。他、作品の完成度としては今一つだった「ミスターサンドマン」「姉弟」「衛星一号」「模倣空間」。2017/11/27

おすし

27
『幻想の未来』今でこそ物質ではない生命体(プラズマ体とか精神世界とか)のSFをちらほら見かけますが、こちら昭和46年ええと…1971年の本!世界観が凄いだけじゃなくて文章も叙情的ですごく良かった。生きるとは?生きるのはなんと苦しいことか…余韻たっぷりの読後感。他にショートショートな短編9編。プラナリア的インド人『ふたりの印度人』BBQの串に気を付けて『ラッパを吹く弟』時空間何が何だかでシュール『衛星一号』砂丘ってこうなってるのか『ミスターサンドマン』書ききれないけど全部読み応えありました。2022/11/09

夜長月🌙@5/19文学フリマQ38

21
読み友さんがこれを幼い頃に読んでパラダイムシフトが起きたという言葉に引かれて一読。ここでいう「パラダイムシフト」はおそらく読書(ある本との出会い)の前と後では違う自分になりもう後戻りはできないという意味。☆☆核実験後の地球は数千万年の時を経て進化、淘汰、突然変異によりある生命体となっていく。その過程を精神、知性、性、文明・・・各方面から展開していく『定形外』のSF。「旅のラゴス」を書いた筒井さんらしい作品。2015/11/29

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