内容説明
奥州の馬医者の次男に生まれた周作は、千葉家の守り神である北斗七星に「天下の剣壇の総帥にならん」と誓いを立てた。剣客にふさわしからぬ含羞と繊細さをもった少年は、中西派一刀流の竹刀剣術を学ぶため江戸に出た。しかし、晦渋な秘儀に堕した兵法に反逆し、独自の剣の道を究めるべく、廻国修行に旅立つ。おのれの理想と剣技だけを頼りに北辰一刀流を開いた千葉周作。剣豪の青年期を爽やかに描いた不朽の名作が大きな活字の新装版で再登場。
著者等紹介
司馬遼太郎[シバリョウタロウ]
1923年(大正12年)、大阪府生まれ。大阪外国語大学蒙古語科卒業後、産経新聞社に入社。59年、『梟の城』で直木賞を受賞。その後、66年に菊池寛賞、72年に吉川英治文学賞、75年に日本芸術院賞恩賜賞、81、86年に読売文学賞、82年に朝日賞、88年に大仏次郎賞を受賞し、93年に文化勲章を受章。96年(平成8年)2月、七十二歳で永眠
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