内容説明
９年付き合っている同棲中の恋人とは、結婚秒読みのはずだった。「もうひとり、彼女ができたんだ」恋人の突然の告白。そして、もうひとりの彼女に引き合わされ、わたしの感情はばらばらになってゆくが―。第５回カクヨムＷｅｂ小説コンテスト恋愛部門“特別賞”受賞！心をえぐる、新世代の等身大ラブストーリー！
著者等紹介
砂村かいり［スナムラカイリ］
第５回カクヨムＷｅｂ小説コンテストにて恋愛部門“特別賞”を二作同時受賞。受賞作である『アパートたまゆら』『炭酸水と犬』にてデビュー（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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黒瀬 木綿希(ゆうき)
132
もうひとり彼女が出来たと宣う彼とはもう九年の付き合い。結婚まで秒読みだと思われていた生活は波に侵食される岸壁のように徐々に崩壊を始める。単行本で約400頁というなかなかの分厚さだが、純文学系の恋愛小説だからか実数を凌駕するボリュームを感じました。しかし夢中になってあっという間に読了。読んでいる最中、彼と新彼女に何度もイライラとさせられ、彼の弟(真先)だけが良心だと思っていると絡み合ったコードも目じゃないほど複雑な関係に……。形骸化した愛によって囚われた男女がもがき、自由を求める姿から目が離せない！2021/05/04
ﾓﾙｸ
123
和佐と由麻、交際9年結婚を前提に同棲してから４年。同棲する際親に挨拶してくれたものの結婚に具体的な話は出ていない。30才の誕生日を迎える頃「もうひとり彼女ができた」と告白される。由麻のことは愛しているし別れたくないという。なんと都合のいいこと。それに苦しむ由麻、彼女も彼と別れたくない…あぁ煮えきらないなあ、イライラしてくる。美人でもてるらしいが奔放な学生時代といい由麻の本質が見えない。えっ！こうなるの？ぐずぐず文句を言いながら一気読みしたということは結構気に入ったかも…😜2023/01/17
よつば🍀
115
「もうひとり、彼女ができたんだ。」 冒頭一行目の吸引力が半端ない。結婚秒読みのはずだった恋人・和佐からの突然の告白。なんだ、この堂々とした二股宣言は！もう一人の方・アサミもいけすかない。Twitterで三角関係を呟くその神経。こんな男、さっさと別れて縁を切りたい所だ。けれど主人公・由麻の心情が痛い程伝わって来るから悩ましい。9年も付き合い愛も情もある。そこに女性ならではの結婚適齢期の重し。完璧な男はいない、妥協が必要な事も理解し葛藤する由麻の繊細な心理描写は秀逸。ラストまで目が離せないドロキュン恋愛小説。2021/06/05
ベイマックス
111
あーイライラする恋愛小説でした（笑）。主人公の由麻は彼氏に「もうひとり、彼女ができたんだ」と言われて物語はスタートする。変な二股なのに、解消しない由麻と和佐にイライラ。まっ、終わり方はよかったからよしとしますか。2022/10/24
そら
76
ぐっと来た。なんだ、この高揚感は。結婚を前提に９年も付き合う満点の彼氏から「もうひとり、彼女ができんだ」という意味不明の告白からこの物語は始まる。由麻の気持ちと同様に「はあ？なに言ってんの？コイツ？」とムカつき、相手のオンナがまた典型的にイラつく性格。ムカムカイライラしながらも結末が気になりページをめくる手を止められない。ただの甘ったるい恋愛小説なら手に取らない。大人すぎるドロリとした性愛も重たい。タイトルの意味が解りかけた頃、さらに物語は加速度をあげ、ラストまで駆け抜ける。また気になる作家に出会えた。2021/05/22
