利権鉱脈―小説ODA

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利権鉱脈―小説ODA

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  • サイズ B6判/ページ数 350p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784041103456
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

国際援助と国益追求は両立するのか? 城山賞作家の書き下ろし経済小説!

社会主義崩壊から間もないモンゴルのウランバートルで、日本人商社マン・加藤が命を落とした。その12年後、コンサル会社に勤める万里子は、モンゴルで旧友の死の真相に近づいてゆく・・・。書き下ろし経済小説。

内容説明

チェルノブイリ原発事故の記憶も新しい、社会主義崩壊から間もないモンゴルのウランバートルで、日本人商社マン・加藤貴久が命を落とした。それから12年後、開発コンサルタント会社で途上国開発事業の最前線に立つ桜井万里子は、アフリカ・ザンビアからの帰国早々、モンゴル案件の担当を命じられる。万里子は大学時代の旧友、加藤の死をめぐる真相に近づいてゆく…。

著者等紹介

松村美香[マツムラミカ]
東京生まれ。中央大学卒業後、青年海外協力隊として2年間タイに滞在。帰国後、筑波大学大学院で修士(経営学)を取得、国際開発コンサルタント業務に携わり、カンボジア、インドネシア、モンゴル、エチオピアなどの開発調査に参加。2008年、『ロロ・ジョングランの歌声』(『利権聖域 ロロ・ジョングランの歌声』と改題して角川文庫)で第1回城山三郎経済小説大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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まつうら

56
服部真澄「天の方舟」、深田祐介「神鷲商人」とかでこれまでもODAに触れてきたが、最前線を経験した著者だけに、この作品にはODAの歴史と変遷が描かれている。ODAの原資は税金だから、国益に資する開発援助であるべき。インドネシアやベトナムのインフラ開発はそういう目的でやってきたし、さらなる民間投資を呼び込むという成果もあった。しかしこのやり方が英米から目の仇にされ、いつのまにやら国益度外視のばら撒き政策に変えられてしまっている事実に愕然とする。またひとつ日本のダメ外交を見つけてしまい、憤懣やるかたない読後感。2023/04/15

Carlos

15
JICAとODA。コンサルの仕事は良い面悪い面両方だね。なろうとは思いませんが。2019/09/29

ren5000

6
これを読んでODAやJIDOの認識が変わりました。この本に書かれている通りマスコミに踊らされてた何も知らない一般国民なんだなって分かりました。どちらが正しいかはわからないけど一方の話だけでなくこの本はODAの立場で書かれているのですごく勉強になりました。2013/11/12

紫の煙

5
開発コンサルタントという職業を初めて知った。ODAがいろんな問題を孕んでいる事は聞いたことがあるが、仕事の実体は全く知らなかった。国際競争の中で、本当に国益を求めて戦っている人たちには頭が下がる。我々は、官僚の姿を知らなさ過ぎるのか。2013/12/11

Sanchai

5
小説としての面白さはあまり感じなかったけれど、ODAを絡めた経済協力の進められ方がわかる解説書としてはかなり面白い。国益重視で日本企業の参加も見込んだ大規模な経済協力を進めたいグループと、プロジェクトをどんどん小口化して途上国の地元住民に本当に裨益する支援を進めたいグループとの間で、葛藤があるんだなというのがよくわかる。そうした援助機関から仕事を請け負うコンサルタントの立場で、著者はよく書いたと思う。著者のスタンスは序盤は前者寄りと思ったが、後半は後者寄りで、うまく纏めている。2013/02/13

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