出版社内容情報
読めばもう二度と元の世界には戻れない。今とは違う世界へ誘う短編集。
不条理な暴力の影に見え隠れする計り知れない大きな感情、耐えがたい緊迫感、うっすらと不安になる奇想などなど。編者のダークサイドのアンテナが強烈に反応した異形の作品だけを選りすぐったとっておきの短編集。
内容説明
うっすらと不安な奇想、耐えがたい緊迫感、途方に暮れる心細さ、あの、何ともいたたまれない感じ―。心に深く刻まれる異形の輝きを放つ短編を集めたアンソロジー。
著者等紹介
岸本佐知子[キシモトサチコ]
1960年生まれ。上智大学文学部英文学科卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
青乃108号
182
岸本佐知子 編 訳の海外短編小説アンソロジー。本の造りのセンスが良い。表紙。タイトルと収録作家名が不規則に斜めに書かれており、いかにも「居心地が悪い」。見返しは真っ黒。次に薄紙に英文表記されたタイトルと作家名、捲ると扉はシルバー地の中央にクロームメッキ様の鍵のイラスト。さあ、部屋を開けて、と気持ちが高ぶる。12編の短編は確かに間違いなく、どれも変で「居心地が悪い」。中でも一番のお気に入りは「来訪者」だ。抜群に面白い。白眉は巻末だ。両面真っ赤な頁。次に両面真っ黒な頁。この本は欲しい。手元に置いておきたい。2024/07/29
keroppi
72
【日本の夏は、やっぱり怪談】〈其の三・和洋折衷〉ホラーと言うより、なんとも居心地の悪い短編集。とんでもないことが起きているのに何でもなかったり、ごく普通の日常のようなのにとても異常で気味悪かったり。「へべはジャリを殺す」ではいきなり瞼を縫い付けているし、「来訪者」では両親がやって来るだけの話なのに不安感と薄気味悪さがいっぱいだし。岸本佐知子さんのセンスは、とても好き。2024/08/16
藤月はな(灯れ松明の火)
59
だんだん、足元が砂地獄のように崩れていくような不安を覚える短編ばかり。表紙の遠近感の狂いも気持ち悪さを増長させるようでした。「父、まばたきもせず」の父親と周囲の冷静過ぎる異様な行動や「ささやき」の確認して笑うつもりがまぎれもない事実に不安になる男の様子とラストでの訳の分からない事実が理由が分からないまま、明かされる唐突さが怖いです。「分身」の当事者は事実をそのまま、受け止めて幸福そうなのに周囲は異常に見るという視点も興味深いです。「やあ!やっているかい!」の題名の意味に戦慄するしかありません。2013/02/07
こばまり
52
お目当てはアンナ・カヴァンでしたが、いずれも勝るとも劣らぬ居心地の悪さ。敢えて夜毎ちびちびとベッドで読み、力なくワーとつぶやきながら眠りに就きました。楽しかったです。2015/05/27
Shimaneko
45
予想以上に居心地が悪く、一篇読むごとにインターバルをおきながら読了。『来訪者』の少しずつ何かが狂ってく感がたまらなくスリリング。『ささやき』と『分身』もけっこう好き。衝撃度では『やあ!やってるかい!』がダントツ。2014/04/13