角川文庫<br> 堕落論 (改版)

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角川文庫
堕落論 (改版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 280p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784041100035
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

夜間飛行

54
安吾という人はいつも、吹雪の中を一人で歩いているように思える。この本は高校時代に出会った。桂離宮、竜安寺、芭蕉、東照宮を堂々と素通りする所がいい。祇園の舞妓を酷評し、秀吉の俗悪趣味や刑務所・工場を賞め、ネオンと電髪嬢の巷へ消える。逆さま日本文化礼讃。こき下ろすことで価値が甦る点では、織田、小林、太宰も同じだ。創作日記で津世子への思いを語るが、ただ風の声を聞いているようなのが安吾らしかった。堕落論の「生きよ堕ちよ」は真の意味で人間の立て直しである。高校の先生が言っていたように、これは人間への愛なのだと思う。2014/03/05

柊渚

24
人間だから堕ちるのであり、 生きているから堕ちるのだ。 堕ちて、堕ちて、堕ちきったその先に 救いに繋がるものがあるのだと、信じて。 人間の弱さに寄り添い、生きる事を力強く肯定してくれる。 エッセイでありながら詩のように美しい、 そんな安吾の言葉が大好きです。2023/02/21

みかん

12
以前から坂口安吾の本を読みたいなと思っていたのに、躊躇していてそしていつの間にか忘れていて、やっと読めた。そして思った。もっと早くに読んだら良かった、、。この本は「堕落論」を含む名エッセイ集。戦後の人々に影響を与えた、世俗におもねらない坂口安吾流の人間論。想像以上にズバズバドストレートに発言するタイプでビックリしたが、そこが非常に良い。「デカダン文学論」と「不良少年とキリスト」は泣きそうになった。どれも魅力的だったが、文体が難しくて一度では理解しきれない部分も多々あったので、絶対再読したい。2019/12/03

サイバーパンツ

10
武士道も天皇も堕落したなら、私たちも、愛国主義の生んだ幻想は捨てて、自由な心で自己に向き合い、本来の人間の姿に堕落しようと説く表題作と、その続編で、日本的な同調圧力の欺瞞を斬る「続堕落論」は流石に熱い。堕落はそう簡単にできるものではない。私たちは、今でも制度に縛られ、堕落できていない。だからこそ、本書は古びておらず、今の世でも十分に、通用するのである。2017/01/08

tokko

10
手あかにまみれるほど何度も読んだ本。おそらく「日本文化私観」と「堕落論」・「続堕落論」は、僕の思想に一番影響を与えた文章だろう。2010/11/26

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