出版社内容情報
時は幕末、御岳神社の奉納武術試合。「音無しの構え」で知られる剣客・机竜之介。甲源一刀流の師範・宇津木文之丞。そこに割って入る天然理心流の土方歳三。未完の小説「大菩薩峠」が夢枕獏によって甦る!
内容説明
時は幕末。府中から日野にかけての甲州街道沿いに辻斬りが出現。一方、大菩薩峠で、深編笠の武士によって老巡礼が惨殺される。4年に1度開かれる奉納試合と関係があるとみた土方歳三は、自分もその試合に出るため天然理心流に入門する。出場するのは「音無しの構え」で知られる剣客・机竜之介、甲源一刀流の師範・宇津木文之丞ら猛者たち。そしてついに奉納試合の日が。人間の欲望や本能を突き付けられる、熱き剣豪小説。
著者等紹介
夢枕獏[ユメマクラバク]
1951年、小田原生まれ。東海大学卒業。『上弦の月を喰べる獅子』で第10回日本SF大賞、『神々の山嶺』で第11回柴田錬三郎賞、『大江戸釣客伝』で第39回泉鏡花文学賞、第5回舟橋聖一文学賞、第46回吉川英治文学賞を受賞。著書多数。2017年に第65回菊池寛賞、第21回日本ミステリー文学大賞を受賞。18年には紫綬褒章を受章した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
眠る山猫屋
48
もちろん(?)原作は読んでいない。虚無感に覆われた主人公・机竜之介が理不尽に人を斬り続ける未完の大作?いやいやきっと獏さんのこちらの方がきっと面白い、そして読み易いはず。主人公土方歳三だし。最近あちこちで様々なアレンジの土方さん見掛けるけど、今作の土方さんは多分一番普及したイメージに近いかも。そんな土方さんが出逢う無数の人斬りたち。妖気滴る竜之介、邪気溢れる宇津木文之丞、掴めない巽十三郎。奉納試合に向けて因果が廻る中、まだ“人斬り”ではなかった歳三が生き残れる道は、未だ見えない。2020/10/27
森オサム
39
上巻読了。「神々の山嶺」以来6年振りに読んだ夢枕獏は、剣豪小説。「大菩薩峠」の主人公や敵役等の世界を借り、そこに土方、近藤、沖田らが絡んで戦ったらどうなるか?、を書いた作品です。新選組などまだまだ先の、若き日の土方は超マッチョで珍しいですが、近藤、沖田はどこかで読んだ様なありふれたキャラ設定ですねぇ。大菩薩峠組のキャラの方は皆妖しく不気味で、存在感は上だったかな。特にお浜は強烈(笑)。下巻はいよいよバトルが本格化するのでしょうが、上巻は正直イマイチですかね。2020/04/24
Die-Go
36
図書館本。土方歳三が新選組を結成する前のお話。主人公と言うよりも主役達の1人といった感じ。奉納試合に向けて、剣客達がしのぎを削る。土方歳三像を大きく覆すことはなく、こんなこともあったかもと思わせてくれる。★★★☆☆2021/04/25
niz001
10
感想は下巻でまとめて。原作の中里介山さん「大菩薩峠」は確か3回読もうとしてその度にストーリーのグダグダさに挫折した記憶あり。2020/01/26
Moeko Matsuda
7
んー、今のところ全然面白くないです。古のラノベ著者らしく軽快な語り口で、読み易くはあるんですけど…。登場人物たちのイメージが、ゴルゴ的な絵柄で思い浮かんじゃうからかも知れません。太い毛脛とか、熊みたいに転がり込むとかね…でもそれはこちらの問題です、だから面白くないってわけじゃないんですけどね。ちょっと風呂敷広げすぎたか??って感じが否めない。ただ、前編後編ともにかなり分厚いので、後編が怒涛の面白さになるかも!というわけで、期待して後編を読み進めます。2020/02/26