銀翼のアルチザン―中島飛行機技師長・小山悌物語

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銀翼のアルチザン―中島飛行機技師長・小山悌物語

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  • サイズ B6判/ページ数 288p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784041059272
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0095

出版社内容情報

小山悌(こやま やすし)
1902年生まれ。東北帝国大学機械科卒。東北帝国大理学部助手、帝国陸軍電信部隊を経て、1926年に中島飛行機入社。エース技師となり、九七式戦闘機(キ27)、一式戦闘機「隼」(キ43)、二式戦闘機「鍾馗」(キ44)、四式戦闘機「疾風」(キ84)などの名機の設計を手掛けた。戦後、中島飛行機の図面を押収したアメリカ軍は、ほとんどの図面に「Yasushi Koyama」のサインがあることに驚き、彼の名は米国航空界でレジェンドとなった。しかし小山はメディアに登場することを嫌い、回顧録も残さなかったため、その素顔は謎に包まれている。

プロローグ 空を切り裂く悪魔の機体
第一章 東北からやって来た男 
第二章 空飛ぶジャンヌ・ダルク、松本キク 
第三章 変人、糸川英夫の入社 
第四章 中島知久平の野望
第五章 隼の翼を手に入れろ 
第六章 日米開戦 
第七賞 アメリカ本土を直撃せよ 
第八章 残された戦い 
第九章 地上を選んだイカロスたち
エピローグ 富嶽、飛ぶ 

内容説明

SUBARUの安全神話の源流となった男。「疾風」をテストした米国空軍は、その性能に驚愕した。幻の「富嶽計画」に込めた平和への願い。

目次

プロローグ 空を切り裂く悪魔の機体
第1章 東北からやってきた男
第2章 空飛ぶジャンヌ・ダルク、松本キク
第3章 変人、糸川英夫の入社
第4章 中島知久平の野望
第5章 隼の翼を手に入れろ
第6章 日米開戦
第7章 アメリカ本土を直撃せよ
第8章 残された戦い
第9章 地上を選んだイカロスたち
エピローグ 富嶽、飛ぶ

著者等紹介

長島芳明[ナガシマヨシアキ]
1980年、群馬県太田市生まれ。2010年、第11回「講談社Birth」小説部門を受賞した『進駐軍がいた少年時代』(講談社)で作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ぶんこ

52
生きていたら100歳を超える実父がいた会社で、何も聞けなかったので中島飛行機関連の本が出ると読まずにはいられません。終戦後富士重工に誘われたのに行かなかった父の思いが疑問でしたが、今やっと気持ちが理解できました。戦地に行かなかったのも、中島飛行機は招集対象外だった!のも初めて知る事でした。多くを語らなかった知久平さん、小山さん。「疾風」の優秀性に英米が驚嘆し、増産される前に終戦となった事に安堵していたとは。「零戦」が有名になったかげで、こんなドラマがあったとは。中島飛行機が素敵な社風だった事が嬉しい。2018/08/29

roatsu

24
主人公は小山悌技師だが彼を中心に、大器の片鱗を見せる若き糸川英夫技師や型破りの社長・中島知久平翁ら航空技術の戦いに粉骨砕身した同時代の中島関係者達を描き起こす群像劇でもある。東洋最大の航空機メーカーだった中島飛行機の同時代史とも言えよう。政官民の共犯で国を誤った当時の政治情勢や威勢のいい主戦論で国政を煽り、敗戦後は口を拭って生き延びた文化人の今と変わらぬ出鱈目さ、軍を始め役所体質の硬直化した政策に振り回された戦時下の軍用機量産体制の実相などにも紙幅を割き、一技術者の軌跡にとどまらない作品になっている。2018/01/27

ふぇるけん

16
三菱重工の堀越二郎は有名だが、中島飛行機は名前程度そして本書の主役である小山悌氏については恥ずかしながら知りませんでした。隼や疾風など数々の名機を生み出し、かつパイロットの命を守る設計を重視。また、彼を後から支えたビジョナリーである中島知久平氏や、若き日の糸川英夫氏などの絡みも面白く、読み始めたらあっという間だった。2018/02/07

tom

15
戦前の飛行機作りの技術者を取り上げた本。現スバルの前進「中島飛行機」の仕事に対する姿勢、風土は、こういうものだったのかと想像させる。いつの日か、車を買い替えることがあったらスバル車を候補の一つにします(笑)。技術者・職人の話は、いつも楽しいと思うのだけど、この本もそのうちの一冊。2017/11/27

inarix

15
中島飛行機の創業者、中島知久平。一式戦闘機「隼」などの設計者のひとり、日本の宇宙開発の創始者でもある糸川英夫。零式艦上戦闘機「零戦」の設計者、堀越二郎。彼らの名と功績を知る人は多い。しかし、小山悌は? 知久平の伝記においてたびたびベテラン技師として登場する彼の名と功績を、いったいどれほどの人が知っているだろう? 彼は「隼」をはじめ「疾風」「鍾馗」など、多くの戦闘機を開発した中島飛行機の技師長。これは日本の航空産業界の発展から終焉までの時代とその後を、あくまで一技師として歩んだ無名のひとの伝記である2017/10/18

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