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角川ホラー文庫
夢遊病者の死

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  • サイズ 文庫判/ページ数 366p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784041053232
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

夢遊病者の彦太郎は病気のせいで仕事に就くことができず、昔気質の父親との確執は深まるばかり。ある日、自宅で父親が変死を遂げる。やったのは、夢の中の彦太郎なのか・・・。表題作「夢遊病者の死」他16編を収録。

内容説明

夢遊病者の彦太郎は、知らず知らずに盗みを繰り返し、奉行先を首になる。十数年ぶりに戻った実家では、父親との仲がこじれる一方だ。ある日、父親が変死する。犯人は夢の中の彦太郎なのか…。自分が知らない自分への恐怖と闘う男の悲劇を描く表現作「夢遊病者の死」ほか、乱歩一流の「奇妙な味」を味わい尽くす14編の傑作を収録。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ann

61
やっぱり乱歩はすごい。100年経っても面白い。再確認。特に「虫」。ぜひ御一読を。2019/05/03

Vakira

23
表題作の再読。乱歩は読破したはずだったんだが、読んだ記憶なし。人は記憶があってこそ自分という人間であることを自覚する。自分の記憶がなければ、自分ではないことと同じ。アイデアの発想は「二廃人」と同じ。睡眠中の事は自分では何もわからない。夢遊病で歩き出し犯罪をしようとも自分の記憶がなければ、自分ではない。自分が夢遊病という病気であれば寝ているうちに罪を犯しているかもしれない。しかし読者は騙される。殺人のアイデアが面白い。凶器が氷であれば溶けてなくなる。もう100年近く前にこんなことを考えていたことが素晴らしい2018/09/30

ブックマスター

20
図書館。前回、初めて読んだ作品集は一人称の話が多い印象だったが、今回は様々な文体が楽しめた。中でも二人の人物の会話だけで成立する話「指環」、軽快な三人称の語りで進む「接吻」が印象的。どんでん返しで締め括ったり、時にはただ静かで仄かな哀愁が漂う幕引きだったり、終わり方も様々。だが自分は「毒草」や「指」といった不気味な余韻を感じる作品が好みだと思った。極度に内気な人間の目線で描かれる「虫」は、犯罪者の異様な心理や覗き見が誘う妖しい官能の世界、遺体が朽ち弄ばれする生々しい描写などがあり、色々な意味で強烈だった。2022/04/03

can

14
何気に初乱歩。全く古い感じがしない。大作は「柘榴」と「虫」で、それ以外は短い作品がたくさんあって、楽しめました。でも!私が一番言いたいのはやっぱり「虫」の気持ち悪さ、読むものを釘付けにするおぞましさです(-"-)主人公は「人間失格」の葉蔵のような厭人病者なのです。人が怖いくせに、人に誰よりも愛されたいのです。葉蔵と違うのは、彼は昼夜問わず妄想の世界に生きることが出来た事と一人の女性だけを恐ろしいくらいに愛してしまったという事。終盤はもうドン引きなのです。グロすぎて書けない!でも読んじゃう!人間って怖いね!2015/05/01

夢語り

10
すごく読み応えのある作品でした。特に一番初めに収録されている、石榴が好き。ラストの虫は乱歩さんらしい。読んでいて少し気分が悪くなったが、面白かった。2016/12/26

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