内容説明
少年時代から、鏡やレンズ、ガラスに異常な嗜好を持ち、それが高じてついには自宅の庭にガラス工場まで作ってしまった男がたどった運命は…。表題作「鏡地獄」他、傑作中の傑作、代表作中の代表作ばかりを集めた、現代ホラーの原点といえる一冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
musis
21
猜疑心や狂気が人を絡め取っている。今回初めて読んだ話も面白かったが、やはり人間椅子や芋虫といった既読の話のインパクトの強さが印象に残った。何度読んでも、不気味で奇怪で恐ろしい、しかしどこか神秘的な美しさを持つ雰囲気に惹かれてしまう。2014/09/05
Hatake
11
陰獣初読み。乱歩作品で一番面白かったかも!サスペンスとしてもよく出来ているのでは。静子のなまめかしさに引き込まれます。肉情の誘惑に果たして勝てるだろうか。矛盾や正義に目をつむり眼前の欲望に身を委ねることを誰が責めようか。しかし、色欲の快楽より嗜虐や殺人の快楽が勝るとすれば恐ろしい。にしても「B坂…」にはニヤリ。2018/10/14
椛
10
収録されている「人間椅子」と「芋虫」は以前に別の本で読んで読了したにもかかわらず今回も読了。 強烈でゾワゾワするのにまた読みたくなるのは何故なのか。 他の6作品は初読み。 初めて読むものだろうか2回目だろうが江戸川乱歩は面白いことを再確認。新たなお気に入りは「人でなしの恋」と「パノラマ島奇談」2018/04/26
ぽてぽて
7
名前は物凄く有名な方。だけれどもなんだか縁がなくこの年でやっと読めました。いや、凄い。おぞましさが強い短編集だったからか余計にですが、世界にのめり込みました。『人間椅子』『パノラマ島』『陰獣』『一寸法師』『鏡地獄』『芋虫』詰め込むだけ詰め込んだぜ!って勢いで読む作品すべて内容が濃い濃い。人間椅子で解き明かされてく恐怖にのめり込み、最後まであますことなく美味しくいただけました。昔の方なのに、そこまで文体が古臭くないのもあってか本当に読みやすかったです。2015/09/16
obb
4
◎久々に話を忘れかけていた陰獣が読みたくなって読破。人でなしの恋、白昼夢も短いながら、やっぱり面白かった。2017/02/08