ラスト・ワルツ

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 226p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784041021378
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

疾走する特急車内、仮面舞踏会、ドイツの映画撮影所―加速する頭脳戦、ついに最高潮へ!世界各国で展開する“究極の騙し合い”に生き残れ。日本最高峰のスパイ・ミステリ。

著者等紹介

柳広司[ヤナギコウジ]
1967年生まれ。2001年、『黄金の灰』でデビュー。同年、『贋作「坊っちゃん」殺人事件』で第12回朝日新人文学賞受賞。09年、『ジョーカー・ゲーム』で吉川英治文学新人賞と日本推理作家協会賞をダブル受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 3件/全3件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

海猫

607
前作「パラダイス・ロスト」は物足りなさがあったが今回は納得の内容。各編趣向が好みなのもある。疾走する特急列車内での暗殺者との駆け引き「アジア・エクスプレス」、映画という題材を巧妙に取り込んで派手めに仕上げた「ワルキューレ」、どちらも良いが白眉は「舞踏会の夜」。まさかこのシリーズでロマンスが描かれるとは思わず、女性から見た結城中佐が禍々しくもエレガント。仮面舞踏会で踊る魔王の退廃美。短篇集のタイトルは「ラスト・ワルツ」でも特に終着点は見せてないので続きはありそう。柳広司氏のシリーズ以外の作品も読むとしよう。2015/02/27

サム・ミイラ

480
D機関完全復活!ややマンネリに陥ったこのシリーズ、見事に息をふきかえしました。特に第一話のアジア・エクスプレスはスリルと予想の先をゆく展開、浪漫溢れる仕上がりで久々の傑作です。第二話の舞踏会の夜は若かりし頃の結城中佐と、ある女性の思い出を軸に切なくサスペンスフルに描いた異色作。第三話ワルキューレはドイツの映画産業を背景にスパイの暗躍をテーマにしていますが、若干出来すぎ漫画チックで他の二作に劣る印象。この中で出てくるフィリップ・ランゲはフリッツ・ラング監督の事でしょうね。裏事情は勉強になりました。2015/05/01

starbro

432
「33年後のなんとなく、クリスタル」の口直しで読みました。連作の3作共、洗練されて上品なオリジナルカクテルのようです。キナ臭い時代に儚く透明感のあるスパイの世界は、滅びの美学と相まって独特の雰囲気を醸し出しています。本日はバレンタインですが、現代に結城中佐が存在していたら相当モテたと思います。次回は結城中佐メインの長編に期待です。2015/02/14

zero1

393
人を操る術こそスパイの価値。D 機関シリーズ第四弾を再読。「アジアエクスプレス」は中国大陸を行く特急「あじあ」内でロシアの協力者と合流するはずだった瀬戸。しかし思わぬ事態に。読んでいて二十面相と対決した小林少年を思い出した。決め手はある動物の活躍!「舞踏会の夜」は侯爵の娘とスパイの接点。「ワルキューレ」は日独協定後のベルリンが舞台。映画俳優の逸見と内装業の雪村がナチスに追われる。ゲッペルス(映画好き?)も登場する豪華さ。結局、スパイが優秀でも軍人がバカだと戦争には勝てない。結城の若い頃を描いた外伝で続く?2019/03/17

barabara

380
前作よりずっと持ち直してる!正直三作目になって、ネタ切れ&水準低下を感じてがっかりしてたのだが、今作は一作目を読んだときの衝撃が戻ってきた。大戦時の映画製作を舞台に、地道にコツコツと命を受けて活動する工作員、元々がスパイなんて一般人には映画的以外の何物でもないから、実際映画製作がステージだと本当に幻惑にクラクラ。冒頭のシーンが後々生きてくるところなんて一視聴者になりきって堪能。舞台設定の派手さと工作員の静がより対比として生きていて傑作だった。アジア特急もルパンみたいで最高に痺れた。あぁ、格好いい。完2015/02/06

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/9046085
  • ご注意事項