角川文庫
ザ・カルテル〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 608p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784041019672
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

出版社内容情報

正義は存在せず、人命は紙よりも軽い。壮絶なこの戦争に終わりはあるのか?

捜査陣の中に、裏切り者がいる。選び抜かれたメンバーの誰が? 密かに調査を進めたケラーは、驚愕の事実に対峙する。そんな中、バレーラが次なる狙いと定めたシウダドフアレスでは、対立する勢力が衝突し、狂気と混沌が町を支配していた。家族が引き裂かれ、命と尊厳が蹂躙される。この戦争は、誰のためのものなのか。圧倒的な怒りの熱量で、読む者を容赦なく打ちのめす。21世紀クライム・サーガの最高傑作。

【著者紹介】
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内容説明

捜査陣の中に、裏切り者がいる。選び抜かれたメンバーの誰が?密かに調査を進めたケラーは、驚愕の事実に対峙する。そんな中、バレーラが次なる狙いと定めたシウダドフアレスでは、対立する勢力が衝突し、狂気と混沌が街を支配していた。家族が引き裂かれ、命と尊厳が蹂躙される。この戦争は、誰のためのものなのか。圧倒的な怒りの熱量で、読む者を容赦なく打ちのめす。21世紀クライム・サーガの最高傑作。

著者等紹介

ウィンズロウ,ドン[ウィンズロウ,ドン] [Winslow,Don]
ニューヨークをはじめとする全米各地や、ロンドン、アムステルダムで探偵として働いた経歴の持ち主。ニューヨークで生まれ、現在はサンディエゴに在住

峯村利哉[ミネムラトシヤ]
1965年生まれ。翻訳家。青山学院大学国際政治経済学部国際政治学科卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

W-G

417
凄まじい規模の暴虐に発展する下巻。正邪も善悪も全部混沌に呑み込まれた物語で、ケラーが下していく決断の数々が重くもあり、ふさわしい。上巻からすでに感じられたアダンの変容が、こういう終着点を迎えるとは。とにかく壮絶。マグダやイベッテ、マリソルやヒメナといった独立志向の女性キャラへの扱いは一概に容赦なく、そんな中で、唯一籠の鳥的存在だったエバが一際不気味に目立つ。エディの一歩引いた目線と、対比のようにパブロの物語を組み込んだのも大成功。何かで続編がある?というのを見た気がするが、気のせいだったか?2018/04/30

遥かなる想い

252
下巻に入っても、殺戮の日々が続く。 メキシコを舞台にした麻薬抗争 、どこまでが 真実に基づくのか..誰が敵で 誰が味方か わからない状態で ひたすら殺人が続くこの物語.. 正直気分の良いものではないが、 現代のメキシコの惨状を 中米の今を描いているのだろうか。最後も 心落ち着かない幕切れだった。2016/12/31

みも

225
作品の良し悪しを評するより先に立ち昇るのは、こんな凄いものを書いた著者への畏敬と畏怖。身内への愛情と裏腹の憎悪から生じる凄絶な復讐の連鎖。『犬の力』に見られたカルテル間の不文律さえ失われ、ジャーナリストも収賄か死かを迫られ、無辜の市民が問答無用で殺戮される暴虐が横行し、国家を巻き込んでの混沌の泥沼が広がる。僕はその凄惨さに神経を摩耗させ、疲弊し、麻痺させる。断片的に記される「点」のようなエピソードを線で繋ぐ手法。登場人物が多く全貌を把握するのは難しいが、その難義を補って余りある場面ごとのリアリティと衝撃。2021/03/30

Tetchy

195
延々と続く麻薬闘争。1つの大きなカルテルが壊滅してもまた新たに生まれ、鎬を削り、利益と勢力を伸ばし続ける。これはメキシコの果てることのない暗黒神話だ。後半はもう殺戮の嵐だ。5人が10人、10人が15人、20人、30人、50人…。屍の山が累々とメキシコ各地で築かれる。メキシコを牛耳ろうとした麻薬カルテル達の戦国時代絵巻。前作『犬の力』にも劣らない、いやそれ以上の熱気とそして喪失感を持った続編。作者は前作以上の怒りを込めて筆をこの作品に叩きつけた。メキシコの暗黒史は今なお続いている。世界は実に哀しすぎる。2016/11/23

藤月はな(灯れ松明の火)

121
暴走していくセータ隊への復讐のために手を組む仇敵達。しかし、倫を外れていくケラーに「復讐は止めるのよ」と諭すマリアナの言葉に胸が打たれる。彼女が両者にされた事は復讐に足る。しかし、当事者であるからこそ、被害者でもある彼女のその言葉は安全地帯にいる人が同じ言葉を吐いたとしても持ち得ない重みがある。そして拷問され、遺体を辱められたパブロが遺した記事。それはそのような世界にした者達へのメキシコの庶民による怒りの声である。同時に上巻に捧げられたメキシコ麻薬戦争で殺され、「消えた」ジャーナリスト達への黙祷でもある。2017/07/28

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