出版社内容情報
幼いときから里親の間を転々としてきた11才のギリーは、がむしゃらでつっぱり屋の少女だったが、やっとほんとうの家族を知り?。 小学校高学年から
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
FK
9
原題は「The Great Gilly Hopkins」。これを「ガラスの家族」と訳すのは、私には違和感が残る。「訳者あとがき」でギリーにとって「手にはいったかと思うと、もろくくずれてしまうガラスのような家族でした」とあり、このような題名にしたのだろう。これは視点をどこに置くかの違いから来るものだ。里子・里親という観点からすると厳しい現実はまさにガラスのように脆いものとみることになる。しかしそんな弱々しい視点で見るのは、ギリーにとっては失礼というか、不当な気がする。なお映画の邦題は[ギリーは幸せになる]。2019/02/13
timeturner
7
現代において望ましい家庭とはどういうものかを考えさせる話だった。アメリカの里親制度っていろいろ大変だ。でも、責任をとれない親がいる限り必要なんだろうね。悩ましい。2016/05/21
ささ
5
良作でした! やはりパターソンは「巧い」作家です。 簡潔でわかりやすい文章と物語、しっかり確立されているキャラクターの個性。そして主人公ギリーは、いい子とは言い難い問題児なのですが、それでも嫌いになれないし、ギリーがどうなっていくのかが気になってどんどんページを進めてしまう作りになっています。 続き https://kodomonohonnnomori.hatenablog.com/entry/2019/08/18/1109372019/08/18
ぽけっとももんが
4
ともかく過激な「試し行動」を取らずにはいられないギリーのこれまでを思う。ギリーは期待するのが怖いあまりに、先回りして何もかも壊してしまおうとするのだ。里親であるトロッターさんや隣家の盲目のランドルフ氏はそんなギリーを辛抱強く見守る。結局のところ、ギリーはトロッターさんのところで幸せに暮らしましたとさ、にならない苦い展開になるけれども、愛されるに値する自分を見つけられたギリーはきっとしっかり生きていけるのだろう。でもこのタイトルには違和感がある。家族がガラスのように脆い、という印象とは違う物語だから。2021/03/14
みなみ
3
1979年ニューベリー賞オナー賞。里親を転々として心が傷ついた主人公は割と…ヤンチャ。「自分が強い人間だ」と信じている。主人公が最初「弱い」と思っていた里親とお隣さんが大変いい味。作者は実際に里親経験が長い。ワーズワースの詩を朗読するくだりがとても好き。詩の訳もとても美しい。面白かった!終わり方も考えさせられた。「差別は当然あるけど」という時代に書かれた物語なので、子供が読むなら事前に時代背景について知っている事を勧めます。2019/10/01
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- 和書
- するするすとーん