内容説明
のどかなイギリスの一地方にある夜、巨大な隕石かと思われる落下物が!!ロンドンを焼き尽くすおそろしい火星人の来訪であることをまだその夜は誰も知らなかった。『宇宙戦争』は『タイムマシン』『透明人間』『モロー博士の島』などで有名なイギリス生まれのSF小説の父H・G・ウェルズの代表作です。小学上級から。
著者等紹介
雨沢泰[アメザワヤスシ]
1953年、東京に生まれる。早稲田大学第一文学部を卒業。英米の文芸を中心にはば広く翻訳をおこなっている
佐竹美保[サタケミホ]
1957年、富山県に生まれる。「奇想天外」の仕事がきっかけでSF、ファンタジーの分野で多数の作品を手がける
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイ
155
再読。初読はおそらく中学生。その時は書いてあることに真面目に感心していたように覚えている。今はこういうSFには自分がスレてしまったし、映像が完全に映画のイメージとなってしまっているが、この地味さが味わい深く感じ入った。書かれたのは、なんと120年前。なんとも言えずこわい。地球を侵略しに来たのが火星人だったとは。毎晩のように見えている星だ。万が一?と思ったら、さぞ不気味に輝いて見えたことだろう。舞台がイギリス、ロンドンというのにも、時代を感じる。少なくとも、トム・クルーズの映画よりは、この原作が好み。2017/10/12
ゆき
15
おお!火星人が私の想像を絶してた!!!すごい。こういう発想なかったわー。そして広げすぎた世界観はキレイに畳まれて、読後はすっきりしました。落ち着く。2017/09/03
マイケル
12
ロンドン郊外に火星人が襲来。火星人の操る戦闘マシンが町を破壊しながらロンドンへ向かっていく。軍も歯が立たない。家族と離れ離れになった主人公が副牧師と共に逃げ回る。食料の奪い合いで火星人よりも恐ろしい避難民。人類が永遠に地球の支配者でいられるとは限らない。火星人の家畜かペットになるのか。最後は映画で見た通り。ビッグ・ベン、テムズ川、名探偵シャーロック・ホームズで有名なベイカー・ストリート、テニスで有名なウィンブルドンなどロンドンの地名が多数出てくる。地図付きで詳しい注もありがたい。映画をもう一度観てみたい。2024/03/27
GORIRA800
11
オチがこの当時にしては新しいような見事なオチ とにかく時代に対しての作品の浮きっぽさが半端なくて登場人物がなんと馬車で移動するのだ この作品が19世紀の作品という事実に驚く2020/10/17
がんぞ
10
『タイムマシン』につづくウェルズの長編第二作、侵略テーマSFの濫觴。語り手が哲学者設定で(作者自身が労働者階級出身であることもあって)火星人が地球人類を自然資源視し意思疎通を試みないこと(「言語を用いずテレパシーがあると思われる」)や栄養摂取法(「我々も肉食の習慣について反省しなければならない」とは開国と獣肉提供を無理強いした日本への同情があるのかもしれない)について考察が試みられる。/大砲軍艦等の武器は貧弱であったし、超文明はあえて文明の中心地の英国に集中して飛来し人類文明を完全破壊との戦略が見て取れる2017/10/14