出版社内容情報
表題作ほか「ごんごろ鐘」 「最後の胡弓ひき」など,民芸的な美しさと親しみぶかさを感じさせる南吉の代表作10編を収録。 小学校高学年から
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
馨
66
時代の変化とともに衰退していく物は世界中に溢れている。当時は斬新で画期的だったものも絶対にそれを上回る高性能のものが出てくる。いつまでも文明の進化を受け入れないままだと取り残されてしまう。ランプの商売を終わらせるために木にランプを括りつけるシーンが素敵だった。現代のイルミネーションに繋がっていると思いました。2022/11/06
山猫
18
図書館で見かけて、懐かしさのあまり手に取った。時代が、世の中が変わって、要らなくなるもの、それに伴ってなくなる仕事があるのはこの当時も今も変わらない。そして、自分にも「文字に飢える」「学びたい気持ちが抑えられない」そんな気持ちが身体中に詰まっていた時があったんだよなぁ。 街からどんどん本屋がなくなっていく現代の日本を見たら、おじいさんや南吉はなんというだろうか。2022/06/14
雛
8
今までこういうジャンルの本は手に取らなかったけど、久しぶりにごんぎつねを読んで他の作品も読みたくなった。短編のどれも面白かった。特におじいさんのランプは時代の移り変わりを感じて切ない。2015/11/18
べりょうすか
5
この前、新美南吉記念館へ行ってから気になって買ってみた。この本の話は教訓みたいな話が多い。けどなんとも言えない美しさがある。登場人物の心の動きが分かりやすい言葉で丁寧に書かれてるから。よかったのは表題作のおじいさんのランプ、最後の胡弓ひき、ごんごろ鐘。 2013/06/26
ひじり☆
4
一つ一つ面白かった!貧乏な少年の話は、あるきっかけで自分の貧乏という境涯をメタ認知してしまう話。そして、それを更にとらえ直し、自分の境涯を高めるのがすばらしい。牛をつないだつばきの木も好き。終わり方にジーンときた。2013/11/26