出版社内容情報
戦争への反省と平和への希求という大きなテーマに真正面からとりくみ、格調の高い文体によって人びとに大きな感動をあたえた、戦後児童文学作品のなかの古典ともいえる名作。 小学校高学年から
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
カラスノエンドウ
10
音楽の力を改めて知ると、言葉の古さはもう気にならなくなった。物語は哀愁漂うミステリーでもあり、読み進める間にいつしか水島の姿を共に追い求めて、希望に喜び失望しては肩を落とす。「一生に一度必ず軍服をつけるのと、袈裟を着るのと、どちらのほうがいいのか?」という議論は興味深く読んだ。『埴生の宿』のメロディーが、心の中で切なく響いている。2019/08/11
さきん
10
昭和20年、ビルマの戦線で行方不明になった日本軍の兵士、水島。やがて、残された隊員達が目にしたものは、彼によく似た若き僧侶の姿だった…。本書は、フィクションであるが、実際極限状況において、指揮官の指揮能力によって、部隊の生存、士気に大きく違いがあったようだ。2015/07/26
日和見菌
7
うたう部隊ステキですね。イギリス兵やビルマの人たちと一緒に音楽を楽しんでるシーン良かった。一生に一度必ず軍服をつけるのと袈裟を着るのと、どちらが良いのか、進んでるのか、上なのか。日本兵が議論していたことが興味深かったです。「おーい、水島。いっしょに日本にかえろう!」青インコ最高…!水島自身の人徳が竪琴の音色に出ていたから、色んな人の心を動かしたのかな~。2013/02/25
羊の国のひつじ
5
子供の頃、公文で読んだかもしれないけど覚えてなかった。読後に水嶋〜!!と叫びたくなる(笑)こんな歌う部隊っていいなあ。水嶋の決断は正しいのかよく分からないけど、同情した。これは現代の日本にも足りていないことを教えてくれていると思う。戦争の悲惨さや平和への願い、それと人々の心の平安。中盤の鶏や最後の夜光虫の描写が物語を生き生きしたものに見せてくれる。好きだなあ。2015/01/14
ふぁるこん
5
綺麗な文章と、作者の思いに感動しました。水島のその後の人生が気になりました。2013/06/28