内容説明
古い西洋館のある町で起こる、不思議な出来事。古い西洋館のある町の、ペパーミント香る季節―少女たちが迷いこんだのは、透きとおるように美しく、はかない、思い出の世界でした。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
黒豆
8
小学生の頃に読んだ本を再読。ふとした瞬間に境界を乗り越えて、別の世界へ足を踏み入れてしまう少女たちの物語。古い西洋館にある水色のピアノ、ガラスの魚のブローチ、閉鎖された港町のアーケード、真夜中の遊園地が、大切な人や物の思い出へと通じている。それはとらえようとすると消えてしまう儚いもので、手放してしまえば二度と出逢えない。日常の世界へと戻っていく彼女たちの姿に寂しさを感じつつ、読後感は爽やかだった。2015/08/09
ふたご星
0
生涯の中でも一番大好きな「星とトランペット」私にとって、竹下文子さんの他の作品でも、それを越えるものはないのです。 ペパーミントの季節・・・このような作品集があったなんて!「星とトランペット」に最も近い空気感でした。 「星とトランペット」を初めて読んだ10代の頃に出会いたかったな。2020/06/23