内容説明
はっぴぃさんはこまったことやねがいごとをきいてくれるのです。やまのうえのおおきないしのうえにはっぴぃさんはときどきくるのだそうです。5歳から。
著者等紹介
荒井良二[アライリョウジ]
1956年、山形県生まれ。絵本作家・イラストレーター。『うそつきのつき』(文溪堂)で小学館児童出版文化賞を受賞。『なぞなぞのたび』(フレーベル館)でボローニャ国際児童図書展賞を受賞。『森の絵本』(講談社)で講談社出版文化賞絵本賞を受賞
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ
185
山の上にある大きな石の上を目指す物語。ゆっくり登ると小花に舞う蝶や、さえずりとせせらぎの共鳴を楽しめるけど、いつまでも到着しないんだ。それがぼくの悩み。あまり急いで登ると、ただ頂上を目指すだけが目的になってしまうし、でも急がなきゃいけない気がするの、それがわたしの悩み。丁度よいってどういう人なのかな。そんな人って出会ったことがないよね。蝸牛はいつ見てもゆっくりだよ。白鳩は歩かずに空から飛んで来るんだね。地上ではみんな慌ててまた騒いでいる。爆音が夜中も響いていたから。誰もはっぴいさんを見たことがないのかな。2023/07/17
シナモン
139
のろのろはなんでもていねいだから。あわてんぼうはなんでもいっしょうけんめいだから。見方を変えれば短所は長所。読んでいくうちに自分を肯定してもらえた気がしてじーんときました。はっぴぃさんはきっと近くにいるんだね。白い鳥と黄色が素敵な表紙。部屋に飾っておきたい。2021/07/15
masa@レビューお休み中
121
困ったことや願いごとをなんでも聞いてくれる、はっぴぃさんは山の上の大きな石の上にときどき現れるそうです。そのはっぴぃさんに会うために男の子と女の子は、それぞれ山のてっぺんを目指します。なんでものろのろの男の子と、なんでも慌ててしまう女の子が、たまたまなのか、たまたまではないのか、同じ日に同じ場所を目指すのです。そして、ふたりは大きな石にたどり着くのですが…。この物語を読んでいると、『ウサギとカメ』のお話を思い出します。でも、ウサギとカメのような競争は起こりません。勝った負けたの争いは、ここにはないのです。2014/03/25
ままこ
98
ほんわか可愛い表紙。のろのろなぼくとあわてんぼうのわたし。願い事をきいてくれるという“はっぴぃさん”と会えるかもしれない場所に出かけますが…。欠点を長所として受け入れてくれると嬉しいよね。眩いイエローを放つ荒井良二さんの絵からハッピーパワーが溢れ出てきそうな絵本。2020/10/24
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
94
のろのろで悩む男の子とあわてんぼうで困っている女の子は、願い事を叶えてくれるという『はっぴいさん』に欠点を直して欲しいと思います。はっぴいさんがやってくるという山の上の大きな石をめざします。左ページに男の子、右ページに女の子が描かれ、やがて二人は石の上で一緒になります。山の上にはいろんな動物がやってきます。「あれがはっぴいさん?」と手当り次第に願い事を伝えるのですが……。欠点って見方を変えれば美点にもなります。明日は良いことありますように。(*´∀`) ビタミンカラーの楽しい本です。2003年9月初版。2015/12/06