トロルのなみだ

ストッケ，リン【作】〈Ｓｔｏｋｋｅ，Ｌｉｎｎ〉/ダール，ハンス・ノルマン【絵】〈Ｄａｈｌ，Ｈａｎｓ Ｎｏｒｍａｎｎ〉/やまのうち きよこ【訳】

偕成社（2001/06発売）

• サイズ A4判／ページ数 51p／高さ 28cm
• 商品コード 9784033278209
• NDC分類 E
• Cコード C8797

出版社内容情報

涙の秘密の色を探る小さなトロルの冒険と成長。ノルウェーの自然をバックに、父と子の絆、真実への執念や勇気を清々しく綴る。　　　小学校低学年から

内容説明

トリムは、北の森のおくに住むげんきなトロルの子。父さんと魚つりをしたりしてたのしい日を送っていましたが、父さんは重い病気で帰らぬ人になってしまいます。そのとき残したナミダの告白で、色のひみつを知り、“さいしょの花”をさがしに森の大ぼうけんにでかけます。北欧の森をバックに、父と子の強い絆、真実を知る勇気のたいせつさが詩情ゆたかに、すがすがしく描かれます。

著者等紹介

ストッケ，リン［ストッケ，リン］［Ｓｔｏｋｋｅ，Ｌｉｎｎ］
１９６１年オスロに生まれる。ノルウェーの名優として知られ、映画・テレビで活躍。１９７９年以来、国立劇場の専属俳優を務め『ペールギュント』のソルベーグ役などを演じる。人気テレビシリーズ『幸運の国』にも出演。四児の母でもあり、詩集も発表している

ダール，ハンス・ノルマン［ダール，ハンスノルマン］［Ｄａｈｌ，Ｈａｎｓ　Ｎｏｒｍａｎｎ］
１９３７年ノルウェーのレーレンスコウに生まれ、国立工芸専門学校・ワルシャワ（ポーランド）の芸術大学で絵画を学ぶ。新聞・雑誌の風刺画家として活躍した後、アルフ・プロイセンなどの童話のさし絵、タブロウの制作を続け、各地で個展を開く。かたわら国立工芸専門学校や美術専門学校で教鞭をとる。１９９９年に出版美術賞を受賞

やまのうちきよこ［ヤマノウチキヨコ］
１９３１年～２０００年。東京生まれ、東京教育大学文学部卒業。長年、北欧児童文学の研究・紹介に尽力。その間、オスロ大学で学ぶ。１９９７年ノルウェー国王より、聖オーラフ・メダルを受章
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[おはなし会 芽ぶっく]

絵本の形をした児童書。絵は挿絵的。トロルの子トリルが主人公。涙をながしてはいけないのがトロルの村のルール。ところがある日トリルのお父さんが病気になり、死ぬ間際涙を一粒流してしまいました。このままでは長老たちに湖に捨てられると思ったトリルは、涙をもって外にでます。涙に導かれながら、トリルは泣くことを取り戻しに旅立ちます。涙は悲しみを乗り越えるためのものだけではなく、嬉しい時にも溢れるもの。

2021/10/04

[Cinejazz]

〝ﾄﾛﾙ村の決まりでは､涙を出しては､いけないことになっている｡涙が出そうになったら､こみあげる涙を､ぐっと飲み込まなくちゃならない｡一粒でも涙が落ちると､長老たちがやって来て､誰にも見られないうちに､涙を掬い取って湖に捨ててしまう･･･〟北欧の森に棲むﾄﾘﾑの大好きな父さんが､重い病気で急死してしまう｡ その時出た｢ﾅﾐﾀﾞ｣から､悲しみや喜びを閉じこめずにいられる､素直な気持ちが現れ出る素敵なもの､と教えられるﾄﾘﾑ｡〝あなたの父さんもあたしも､いつも､あなたと一緒にいるのよ｡姿が見えないだけなのよ〟

2024/05/08

[龍馬]

僕が借りてきた本。お父さんトロルとトリルという男の子。涙は絶対流しちゃいけないってトロルの長老たちは思っていて、涙がでたら谷にすてなくちゃならないんだけど、トロルは病気で死んでしまう。その時トロルから涙がでてしまう。きっと、トリルと離れるのが悲しかったから絶対泣かないお父さんが泣いたんだと思う。その涙を長老たちにとられないようにトリルが逃げるんだ。泣くことは悪いことじゃない。泣くのを我慢してばっかりはしんどいよ。泣けるようになってよかったね。いいお話だった。この本も好き。

2010/07/27

[ぷりけ]

トロルの子「トリム」のお話。絵本だけど、字が多い！涙を出してはいけないという村のルール。でもうれしい時や悲しい時は涙が出ちゃうよね。とうさんが死んだときに流した『なみだ』をめぐって、村の長老たちに奪われないように小さいトリムが頑張るお話。

2015/02/13

[たっくん?号]

長っ！！絵本と思って手を出したら意外と文章が多くてびっくりした。なみだ君さよならという歌があったけれど、これはなみだ君こんにちはといった感じ。泣くことは悪いことじゃない。悲しみを乗り越えるためには必要なことだ。

2014/07/14