内容説明
アイデアは、ゼロからは生まれない。それは、すでにある意外なものを結びつけてこそ生まれる。気鋭のアートディレクターが説く、全く新しい仕事の発想と思考術。
目次
第1章 人と人(接着剤その1―コミュニケーション;接着剤その2―客観性と主観性のザッピング;接着剤その3―「大義」をもって仕事をする)
第2章 知識と知識(接着剤その4―「知識+知識」のイノベーション;接着剤その5―「洞察力」を研げば「切り口」が変わる)
第3章 ヒットのつくり方(接着剤その6―インプットの質を高める;接着剤その7―時代の「シズル」を嗅ぎ分ける)
著者等紹介
水野学[ミズノマナブ]
1972年東京生まれ。96年多摩美術大学グラフィックデザイン科卒業。99年グッドデザインカンパニー設立。ブランドづくりの根本からロゴ、パッケージ、店舗デザインまで、トータルにディレクションを行う。主な仕事に、NTTドコモ「iD」、「農林水産省」CI、国立新美術館「ゴッホ展」、「多摩美術大学」、「東京ミッドタウン」、「ルミネ」、「adidas」、ユニクロ「UT」、首都高事故削減プロジェクト「TOKYO SMART DRIVER」、森美術館「ル・コルビュジエ展」ほか(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAKAPO
30
《そもそも「イノベーション」という言葉は、まったくゼロから何かを生み出すということではなく、すでにある意外なもの同士を結びつけ、新しい何かをつくり出すという意味だをいいます。》良い文章を書くには語彙の豊富さが必要だと言われますが、良いデザイナーは、色や形、質感などのボキャブラリーが豊富なので、無数の組み合わせの中から質の高い結合を発見することができるのです。2018/09/01
高光浩二
10
日本の大企業の広告を見る。この広告はお金をかけて有名なデザイナーや会社が流行りのデザインや最新の科学、強烈なサブリミナルなんかを盛り込んで商品が一番栄えて、資金が回収できるように考えているのだろ…と思って見ていました。この本が全てではないが科学なんかより、一人の人間の感覚や経験則での決定が強いのだと感じた。びっくり。2014/11/25
京和みかん
9
グッドデザインカンパニーの社名は知っていますが、著者の水野さんはこの本でその顔を初めて拝見しました。本の内容はいかにしてアイデアを生み出していくかということをデザイナーの水野さん自身が語るものです。その根底には「人との関わり」があり、著者がそれを非常に大事にしているのがよく分かります。人との関わり合いと刺激、外の世界へ飛び出す力、それらによって得られるものが「アイデアの接着剤」として水野さんが提唱している感覚です。すぐに身に付けるのは難しそうな印象はありますが、少しでもその感覚に近づければと思います。2016/11/20
アメミヤミク
5
アイデアのつくりかたの本なのに人生指南書みたい。水野さんがどう仕事をするかを語る時、それは同時に水野さんがどう生きているかと同じ意味を持つ。語り口には押し付けがましいところが微塵もなく素直に読める。街の明かりの一つ一つについてのエピソードでは思わず感嘆してしまった。仕事、考え方、暮らし方、生き方にそれぞれ線を引いたなら、きっとどれかが嘘になる。2010/10/13
ぷるぷる
3
デザイナーさんから見たイノベーションのあり方は、やっぱりエンジニア目線とは一味違うという印象でした。本書で一番すんなり心に入ってくるのは一番最初の人と人をつなぐ部分でした。すごい人達は「大義」を持って仕事をしているってのが、心に響いた。自分は何をやってるんだろうと思うことが多いんだよね最近。「人の話を否定しながら聞くのではなく、共感しながらきけば何かしら得るものがある」これも素敵な言葉だと思う。つい否定してしまう人は多いが、自分は共感を心がけたいもんだ。デザイナーさんは流石に表現に長けてると思いました。2012/05/02