出版社内容情報
明治時代に、最強のライフハックがあった! 簡易生活とは、根性論や精神論などの旧来の習慣を打破し効率的な生活を送ろうというもの。無駄な付き合いや虚飾が排除され、個人のポテンシャルは最大限に発揮される。おかしくて役に立つ教養的自己啓発書。
内容説明
究極のシンプルライフがかつて存在していた。簡易生活とは、明治時代に西洋から入り、明治・大正・昭和初期に、知識人や庶民の間で密かなブームになった生活法である。実用がすべて・簡易で簡素・余計は排除―。すると無駄な付き合いや虚飾が排除され、個人の能力は最大化されるという。しかし、独自な解釈をした者たちもいて…。気苦労の多かった明治人が残した日々の知恵とは。
目次
序章 日々を良くする明治の簡易生活
第1章 明治の始める方法・失敗する方法
第2章 簡易生活は超合理的に考える
第3章 平民主義で能力が開花する
第4章 疲れる人間関係を断ち切る作法
第5章 簡易なくらしを追求してみる
第6章 簡易生活的趣味の方法
最終章 簡易生活とこれから
著者等紹介
山下泰平[ヤマシタタイヘイ]
1977年宮崎県生まれ。明治娯楽物語研究家。立命館大学政策科学部卒業。京都で古本屋を巡り、明治大正の文献の研究にいそしむ。インターネットではkotoriko名義でも活動(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
徒花
147
おもしろかったー。明治の時代に書かれた文献から、当時一部の人たちが提唱していた簡易生活を紹介する一冊。帯にある「明治の人たちはスゴかった!」というのは、決してスバラシイというだけの意味ではなく、極端に走りすぎてなかなか真似できないという意味でのスゴさもある。ただ、合理的かつ平和的な手法で面倒なことを生活から廃し、自分が本当に好きなことに時間と金を使おうという考え方は現代にも受け入れられやすいし、勉強になるところも多い。そしてチョイチョイ笑えるところがえる。良書。2020/06/01
yomineko@猫と共に生きる
63
読み友様からのご紹介です。今の物に溢れ、時間もないという窮屈な生活に比べれば、昔の人々は時をゆったりと過ごし、シンプルライフを極める生活をしていた。生活を簡素にする。広い家から狭い家に引っ越すとは究極\(^o^)/明治、大正の本の紹介が多数あり、興味深いのですが今は読めないんですよね💦2022/04/19
おかむら
30
明治大正のミニマリストたちのおかしな生活! 「坂の上の雲」的な勤勉実直明治人とは全く違う、いや真面目は真面目なんだけど、なんか方向がおかしい簡易生活者たちの暮らしぶりがなんとも愉快。 著者は明治大正の文献研究者。いわゆるちゃんとした文献からは見えてこない実用書や生活雑誌などを読みまくってます。面白いわー! 佐々木倫子の絵で漫画化して欲しいわー。2020/05/24
なのはな(2022年まで)
10
簡易生活者たちの合理的だったり行き過ぎたりする行動に敬服して笑って泣ける。合理性は楽しみや将来への希望とセットで行使したいですね。市井の人々をみつめる筆者のあたたかい眼差しがとてもよい、ブログ愛読してます。2020/03/10
大先生
9
簡易生活とは、①実用的・合理的②簡易・簡素③無駄の排除を徹底した生活を指しているようです。単に質素な生活を心掛けるだけでは不十分。合理化できる部分は合理化する。例えば、いつまでも竈を使ってないで、ガスを使って時短するというのが簡易生活者。美食家やコレクターなどは簡易生活者の正反対の存在ということになりますね。私なんかは、人生無駄があった方が面白いと思いますが…(笑)。簡易生活は、いろいろ試行錯誤が必要で必ずしもストレスフリーではなさそうですが、本人が良ければそれでいいのでは…。2021/06/17