内容説明
嵐の夜、新宿の高層ホテルで、大鳳吼と久鬼麗一は再会した。そこで、大鳳は「ソーマ」という花を託されるのである。だが、それは幻獣化を抑えるだけのもので、二人の宿命を絶つものではない。鬼勁を使うボックは、依然として二人の身柄を追い求めているのだ。一方で、詩人「岩さん」が円空山を訪れ、菊地は人間凶獣と化していく。そして、台湾より潜入した男が雲斎に衝撃的な告白を…作家・夢枕獏のライフワーク第4ステージ、佳境の大展開。
著者等紹介
夢枕獏[ユメマクラバク]
1951年、神奈川県小田原市生まれ。東海大学卒業。77年『カエルの死』でデビュー。89年『上弦の月を喰べる獅子』で、第10回日本SF大賞を、98年『神々の山嶺』で第11回柴田錬三郎賞を受賞。日本SF作家クラブ会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ぐうぐう
19
「涅槃変」と「鳳凰変」を収録したソノラマノベルズ版『キマイラ』4巻。久しぶりの再読となったが、おもしろさは初読みのときとまるで変わらない。いわゆるジュニア向け小説として書き始められた『キマイラ』は、この手のジャンルにはめずらしく、詩情に貫かれる物語となっている。そんな詩情を象徴するキャラクターが、岩村賢治だ。宮沢賢治を連想させる名を持つ彼は、詩を書く路上生活者だ。「鳳凰変」の各章の冒頭には、岩村の詩が配置されている。その詩は、物語と乖離するわけではなく、反発することもなく、見事に溶け合っている。(つづく)2017/01/26
ほしけも
5
菊池がでてくると「おッ」ってなりますね。 成長著しく他のキャラを喰ってしまう勢い。 自由人の岩さんたちのナイーブさが 殺伐としてしまいがちな世界観のバランスをとってるなあ。 ひろしがボックをボッコボコにしてくれるのはいつの日か!2014/10/17
hana
2
表紙を見てもわかる通り、「こんなむさくるしい男どもの話、はもうこの巻でやめよう」。と思いながら血みどろの戦いに耐えていたのですが、最後の最後に思わぬ真実が!! 次も読まねばならぬか・・・。はぁ~菊池の存在がどうしても受けいられぬ。2017/07/10
シナモン
2
キマイラ化の止まらない大鳳。そしてキマイラ化の秘密を探る面々。今巻ではあまり大きな戦いはありませんでしたが、ラストで巫炎の口から驚きの言葉が!個人的には龍王院弘の復活を希望します。もっと登場人物が戦い乱れる様を読みたいっす。2012/10/07
S.F.River
0
高校のころ夢中で読んだ。5.0