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朝日文庫
糾弾―まず石を投げよ

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  • サイズ 文庫判/ページ数 390p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784022646453
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

外科医・三木達志は自らの医療ミスを認め、患者の遺族に賠償金支払いを申し出た。これを究極の誠意と感じたライターの菊川綾乃は取材に乗り出すが、「あれは殺人だった」という手紙が舞い込む。医療ミスを糾弾する者とされる者の闇を描く渾身のミステリー。

著者等紹介

久坂部羊[クサカベヨウ]
1955年大阪府生まれ。医師、作家。大阪大学医学部卒。二十代で同人誌「VIKING」に参加。外務省の医務官として9年間海外で勤務した後、高齢者を対象とした在宅訪問診療に従事している。2003年、老人の麻痺した四肢を切り落とす医師が登場する『廃用身』で作家デビュー。2005年、『破裂』で大学病院の実態を克明に描き、超高齢化社会の究極の解決法をさぐる医療ミステリーで注目された(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

nobby

96
うーん、なんか終盤尻つぼみな印象が残念…医療ミスについて、自ら過ちと認めた上で遺族への謝罪・賠償まで行った外科医が醸し出す影と、テレビ番組の仕掛けた医者の隠蔽体質を炙り出す心理実験。この二つに翻弄される医療ライター綾乃の視点で描かれる様が、非常に興味深く面白い。起こり得るヒューマンエラーについて、受容あるいは許容出来るかの問題提起はかなり重い。“知る”権利が当たり前な一方で、“知らない”権利が適する人もいるという事実にはハッとした。医者が患者に憎しみを持つという側面の掲示が何ともまた複雑な思いを残す。2017/10/06

アッシュ姉

74
医療界の隠蔽体質が問題視されるなか、外科医の三木は自ら医療ミスを告白し、高額な賠償金を自腹で支払った。その特異なケースに注目したジャーナリスト。はたして、三木は善意の医者か、それとも別の思惑があるのか。何やら深い闇を抱えていそうな三木が気になり、今回はどんな衝撃が待ち受けているのかとワクワクしていたが、登場人物が増えていくごとに、三木の存在がどんどん薄くなって、彼の内面はよく分からなかった。各人が迷走しすぎて、全体的に中途半端な印象でちょっと残念。人間ドック地獄という痛烈な見解にはニヤリ。タイトルは秀逸。2016/02/25

団塊シニア

56
「医療ミスは医師から患者への無意識の復讐なんです」というドキッとするフレーズ が最後まで頭から離れないほど強烈であった。2015/07/30

James Hayashi

28
医療過誤をテーマとしたミステリー。「白い巨塔」とは異なるが陰湿な医療界の隠蔽を暴き糾弾する。典型的なevil は出てこないが、医療界全体の根本体質を追求している様でこの著者としては異例か。ストーリーは医師の隠蔽を見極める為ヤラセ実験をドキュメントしテレビ化する事がメイン。そしてキリスト教の逸話を最後に問いかけるが、なかなか考えさせられる。医師の技術ばかりでなく、内面も解剖している異色な作品。思い切った結末で読後感は良くないが読み応えはあった。 2015/11/28

hushi亜子

21
やっぱり読んでた。「まず石を投げよ」久坂部先生の本を読んでない訳がないんだ。文庫化されると改題されることが多いから、記憶力が悪い私はやられちゃうんだ…すぐ読んだことあるなぁとわかったけど、また全部読めてしまう私も私だけど、内容が古くないから読ませられてしまう。医療ミスの隠蔽。医者と患者の信頼関係があれば!なんてことは無い。患者から不快な思いをさせられたら医者も人間だから悪感情を持ってしまい、丁寧に接することができなくなる。だから潜在的にミスを犯す。ついてくるなぁ。2017/05/07

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