朝日文庫<br> 百年の預言〈下〉

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朝日文庫
百年の預言〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 311p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784022642899
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0195

内容説明

「百年後の愛しい羊たちへ」と題された楽譜に秘められた謎とは?真賀木と充子と亡命ルーマニア人・センデスの運命は複雑に絡み合い、やがて1989年、革命の火の手が上がるブカレストへと導かれていく―激動の東欧を舞台に魂を揺さぶる恋と身を焦がす性愛を高らかに描く高樹文学の金字塔。

著者等紹介

高樹のぶ子[タカギノブコ]
作家。昭和59年「光抱く友よ」で第90回芥川賞を受賞。平成6年『蔦燃』で島清恋愛文学賞。平成7年『水脈』で女流文学賞受賞。平成11年『透光の樹』で谷崎潤一郎賞受賞。平成13年より芥川賞選考委員
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

エドワード

11
「生の快楽は死の快楽と裏表かも知れないね」と真賀木が言う。ウィーンを旅した時、西欧の都市とは明らかに異なる空気を感じた。音楽の都として今も栄えているこの街は一度死んだ都市だ。クリムトの絵の、強烈な官能と死のイメージがこの物語にぴったり来すぎて恐い。ウィーンはまた東欧への扉でもある。チャウシェスク大統領が射殺された映像は今でも覚えている。ルーマニア人は確かにローマ人の末裔だ。たぎる情熱、音楽を愛する心。音楽を暗号として電波に乗せてメッセージを送る。これほど東欧らしい革命の戦略はない。2013/11/12

とおる

3
30年程前に天満敦子さんのリサイタルで弾いてくれたバラーダのトークで「詳しい事は高樹のぶ子さんに聞いてください。」という話が耳にこびりついていた。今度高樹さんの「伊勢物語」を読むにあたっての予備知識としてジャンルが大きく違うものの、この本を手にした。恋愛(官能)小説と音楽小説と近代歴史小説とハードボイルドをミックスした趣きだが、ずっしりと心に残った。特に高樹さんの音楽の専門知識はすごいなと思った。でも天満敦子さんは、走馬充子とは全くイメージが違うぞ。彼女からヒントは得たかもしれないがモデルというのは?2021/01/10

kinshirinshi

2
時代設定は異なるが、東欧の政治的混乱の中へ自ら飛び込んでいった日本人外交官の物語としては、須賀しのぶさんの『また、桜の国で』を彷彿とさせる。どちらもよく書けているが、15年早く書かれたこちらの方が古くさい感じは否めない。特に昭和型のヒロインが鼻につく。「わたし、頭を使うのは苦手」と言って、政治状況には興味を示さず、暗号を解く手助けもせず、ただ日本から時々ルーマニアにやってきて、男性の登場人物たちをかき回していくだけという印象だった。もう少し颯爽としたヒロインにできなかったものか。2019/12/19

還暦院erk

0
図書館本。他のことをほったらかして一気読み。パイプオルガンのシーンでは音が聞こえてくるようで陶然としてしまった。ルーマニア革命って約25年前のことなのか…。2014/05/26

ふじろう

0
天満敦子さんモデルなのに性描写すごいけどいいのって感じ。舞台背景はノンフィクションだけど、中味はフィクションなのかな、表現がいいね。最高の鑑賞方法は創作することだとか、他にもたくさん感じる表現が出てきます。2013/04/06

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